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ぷろどおむ

Author:ぷろどおむ
元サッカー少年。今はしがない化学屋です。

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メタミドホスについて
そういえば,多少嘘情報が世の中に流れているっぽいので,メタミドホスについても少しだけ。

話によりますと,「メタミドホスはサリンの親戚」という解説がまことしやかに流れているそうですが,ちょっと言い過ぎっぽい感じです。

個人的には「アセトニトリル(CH3CN)は青酸カリ(KCN)の親戚」くらい,アレな説明だと感じます。

確かに大ざっぱな分類で行けばメタミドホスもサリンも「有機リン化合物」の中に分類されるんですが,正確な分類で行けばメタミドホスは「有機リン化合物」とは言えないんじゃないかしら,とか思っている今日この頃。

そのココロは?と言えば,狭義の有機リン化合物の定義から行けば「炭素ーリン結合を持つ有機化合物」が「有機リン化合物」であるはずなので,そのような構造を持たないメタミドホスを初めとする有機リン系の農薬は,炭素ーリン結合を持つサリンなどの有機リン系毒ガスのたぐいとは一線を画して語られるべきだと思うからなのです。

また,サリンはその構造中に「炭素ーハロゲン(サリンの場合はフッ素)結合」も持っているわけなので,メタミドホスとサリンは構造的にも合成経路的にも相当異なった化合物です。たとえば,メタミドホスは相当水溶性が高い化合物ですが,サリンの場合水に触れるととたんに分解してしまいます。毒としての作用機構は似ていますが,その強さは文字通り桁が違います。なので,「親戚」と言い切るのはちょっと強引な印象があります。

本来であればメタミドホスは熱に弱い化合物なので,同様に自主回収の大将となっているトンカツなどのように高温の油に晒されるような食品であれば,特に問題はなかったのかと思います。しかし,餃子の場合,その調理法から考えて高温になるフライパンに接して文字通り焼かれるのは底の部分だけで,その他の大部分は蒸し焼きにされるため100度以上にはなりにくいわけです。そのために,大部分のメタミドホスが残留してしまったのかな?と思っています。

話は戻りますが,サリンとメタミドホスを比較したところで「毒としての作用機構が似ている」と書きましたが,これ実は結構大きな問題です。というのも,メタミドホスの毒性は「サリン同様神経毒として作用する」ため,今回のように極めて高濃度の暴露を受けてしまった場合「深刻な後遺症を残す」可能性が決して低くないからです。

「一時重体となった」と報道されたものの,その後の状況が全く報道されていない子供さんも,現在は重体ではないということは,命に影響する状況からは脱したと言うことなのでしょうが,地下鉄サリン事件などで一命を取り留めたもののいまだに寝たきり状態の続く被害者の方々が数多くいるような現状を見るにつけ,今後が非常に心配です。

「五輪直前だから」などというくだらない面子や国の都合,あるいは「政府を何が何でも批判したい」などとばかげた政局争いをすることなく,日中両国には迅速な原因究明と対策を御願いしたいものです。
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テーマ:科学・医療・心理 - ジャンル:学問・文化・芸術

気になる化学リスク | 16:37:59 | Trackback(0) | Comments(0)
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