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ぷろどおむ

Author:ぷろどおむ
元サッカー少年。今はしがない化学屋です。

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毒入り餃子の話
そこそこ情報が出てきたようなので,一応このブログでも触れておきます。

さすがに中国側も火消しに一生懸命なようで,「原材料から農薬は検出されなかった」「工場内でメタミドホスを使用したことはない」「抜き取り調査(二個?)の結果も検出されなかった」「中国国内で混入した可能性はない」などとかなり強気に全面否定しているようです。でも,そんなこと言われても「で?だから???」としか言いようがないですね。

というか,急性中毒症状が出るほど(しかも今回のように水溶性の高い)農薬を残留させようと思ったら,そもそもどれだけの量を撒いていなければならないか,と言うことです。っていうか,たぶん不可能。そんな気が狂ったような大量の農薬に晒されたら,薬焼けで作物自体が死ぬんじゃないでしょうか?

ということで,9割以上の確率で残留農薬由来の線は消えてくるとにらんでます。あと,工場内に撒いた殺虫剤が残留してたってのもたぶん消えます。確かに今使われているものの中では急性毒性が強い農薬ですが,「残留」してるレベルで急性中毒症状,ましてや「食べて味の違いがわかる」なんてことはまず起きないわけです。

なので,状況証拠から可能性としてあり得るのは「餃子がむき出しの状態で殺虫剤を使用した」か,「故意に殺虫剤をかけた」かだと思っていたのですが,「工場内で(本当かどうか知りませんが)メタミドホスを使用した実績はない」と言いきっている以上,事故的に噴霧されたという可能性も消えてくるのでしょう。

ところで,マスコミはパッケージに穴が開いていたことを相当重要視しているようですが,出たのは兵庫の方だけで,重体患者の出た千葉の方では,穴なんて見つかってないんですよね。なので,現時点で工場における製品管理が白であるということは全く言えないわけです。 というよりも,普通に考えれば「穴が開いているかあいていないかと,毒物混入の間に因果関係はない」わけです。何の情報にもなりません。かえってミスリードを招くだけです。

行政の対応が遅かったという批判も出ているようですが,ノロなどの嘔吐を伴う風邪が大流行するこのシーズン,しかも食べたのが冷凍食品の餃子だけと言うことになれば(「苦かった」という証言があるので「腐っていた?」とかは思うかもしれませんが),最初から薬物による食中毒を疑うのは難しそうな気がします。
#後出しじゃんけんなら何とでも言えますし,先例のできた今後なら話は違うでしょうが,今までこんな例はなかったことを忘れちゃいけません。

何よりも,今一番明らかにしなければいけないのは「どのようなルートで混入してきたのか」ということですが,現在ある情報だけでも相当絞られてきたんじゃないでしょうか。

まず,マスコミや中国が願ってやまない「日本国内で混入された説」ですが,可能性としては相当低いですよね。これを可能にするためには,「異なる港に異なるルートで水揚げされた同一工場で生産された餃子を的確に見つけ」て,「穴を開けたり開けなかったりしながら」しかも「穴を開けない方に大量に注入するという荒技」を使って「日本では何十年も前から一般に流通していない薬物」を混入させなくてはいけないわけです。普通に考えてかなり不可能です。冷静に考えれば,日本行きの船に乗る前に混入されたと考える方が極めて自然です。

もしこれが,千葉と兵庫などと言う離れた地域ではなく,せめて東京くらい近いところで発生し,「共通点が冷凍食品である」程度の範囲で複数の工場で作られた複数の品から検出されたというのであれば,国内での混入を疑っても良いのですが,わざわざここまで手の込んだことをしてくだんの会社にダメージを与えようと思う人が日本にいる可能性は非常に低いと思います。

さらに言えば,中国側の言うとおり「会社組織としては」衛生面や品質管理に注力していたのかもしれませんが,常々話題になっている「労働争議」の問題が大きな影を落としています。原料の野菜の中に規定以上の農薬が残留しているなんて言うのは問題外なわけですが,「従業員が良からぬことを思いついた」時点でどうしようもないという管理体制はかなり危険です。この工場の管理体制に不備があったと言うことが見つかれば,そこを改善すれば話は済むわけですが,「不心得者が容易に悪さができる」という状況となりますと,いつ同様の事例が産まれるとも限りません。

今回の事件はかなりのレアケースであることは事実であり,正直世間の煽り方もかなり過剰反応気味だと思ってはいるのですが,現時点ではとてもじゃないですが「心配する必要がない程度に安全」であるとは言えない状況にあるのも事実です。

せめて犯人が捕まってくれればまだ話はアレなんですが,犯人(もしくは原因)追及を続ける,と言う明確な(言葉だけでは無しに)態度を示すこともなく,中国側がこのまま全面否定を続けるようですと,世間の過剰反応を批判しにくいな。と言うのが正直な感想です。

ところで,BSE牛や遺伝子組み換え作物にはあれだけ過剰な反応を示し続け,かつ当事者であった生協は,該当工場の製品使用はさすがに取りやめましたけど,それ以外の中国製品は取り扱いを止める気は無いようですね。どうしてなんでしょう?

アメリカ産牛肉も,遺伝子組み換え作物も,

    「まだ1人の中毒患者も出していない」のに全面使用停止

してるんですよ。なんか基準が変じゃないですか?

安いからストップすると商売が成り立たなくなるからですか?それともアメリカ絡みじゃないからですか?中国ならアメリカよりも信用できるんですか?

アメリカより中国が全面的に信頼できるそこまで明確な理由があるのでしたら,ぜひ教えていただきたいものです。

まぁ,だからと言って本当に販売停止にすることに何の意味があるのか,と言う気はものすごくするわけですが,今までもいろいろ言われまくっていたのにもかかわらず,安さだけが売りの「中国製品」や,いつぞやの「ミートホープの肉」とかも「安全安心が売り」のはずの生協がこれだけ採用していたって言うのは,正直びっくりしているんですよね。

やはり,安全や安心にはきちんとコストをかける必要があるようです。

ちなみに,次のエントリは電磁波の話をしようと思って,毒入り餃子の話もほどほどに(うちのブログと私の専門的には,どう考えても餃子の話の方がマッチしていたわけですが(^^;;;)しながら調べていたんですが,ちょっとあまりに腰砕けな話を見つけてしまったもんで,多少くじけ気味です(--;;;;; ほんと,無意味に煽るだけ煽りたがるマスコミの体質にはほとほと嫌気がさしてきます。勘弁して欲しいものです。

というわけで,無事気力が復活したら電磁波の話を書きますが,最悪ちょこっと引用しただけで終了しても勘弁してください。現在のところ,これ以上調べる気力が出せないくらい腰砕けになっておりますので(^^;;;;;;
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テーマ:科学・医療・心理 - ジャンル:学問・文化・芸術

気になる化学リスク | 16:08:43 | Trackback(0) | Comments(0)
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