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ぷろどおむ

Author:ぷろどおむ
元サッカー少年。今はしがない化学屋です。

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どのくらいまで流せるのか

コメントをいただいたので返事を書いていたら,いつものように長くなったのでエントリに昇格(ぉ



Q. ところで、大量の海水で薄まることを前提とすれば、再処理工場は、人体に影響を与えない程度の放射性物質を、どれくらいの量を海へ流すことができるのですか?



現在の法律(http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/k20001023001/k20001023001.html)に従うと,放出できるヨウ素129の濃度はヨウ化メチル以外の形では9E-03Bq/cm3と言うことになっています。こちら(http://www.jca.apc.org/mihama/reprocess/tritium_jul-aug.htm)のページのデータによると,現在は6.9E-04Bq/cm3程度の濃度で放出されているようなので,法律に準拠することを考えると,許容幅はあと10倍程度しかありません。


しかし,ご質問の「人体への影響」ということになると,今回計算した元の「年間許容量」自体が「この程度までなら大丈夫」という値ですので,もっと高い濃度(1000万倍以上)でも明確な健康被害は現れない可能性が高いです。


急性放射線障害を考えますと,Svオーダーの放射線を浴びなければ起こりませんので,先日の計算結果からすると最大限高い条件で予想したヨウ素129濃度が7.7E-10 mSv/cm3ですから,10の9乗倍,つまり10億倍以上の濃度のヨウ素129溶液を1リットル摂取する必要があることになります。


ただ,慢性放射性障害という話になりますと,またちょっと話は違ってきます。海水から直接得られる影響と言うことだけ考えれば,確かに「130万倍」という数字になりますが,よりクリティカルに考えれば,やはり生体濃縮を考慮に入れる必要があるでしょう。


こちらのページによりますと,日本一昆布を消費する富山県で年間1kg,全国平均で年間500g程度消費するようです。ということで,やはり前に計算した結果と全国平均の値を参考にし,年間の許容線量1 mSvと比較すると,



7 μBq/cm3 x 1000 cm3 x 12000 x 0.5 kg = 42 Bq
42 Bq x 1.1E-04 Bq/mSv = 0.00462 mSv
1 mSv / 0.00462 mSv = 216.5 倍



までが許容できる範囲内ということになります。


ただ,元の計算結果が原燃が採用している濃縮係数を6倍して用いた値です。なので,原燃の濃縮倍率を採用するとこの6倍となり約1,300倍までが許容範囲内と言うことになります。


ただ,この慢性放射性障害に対する許容量という部分については,専門家の間でも激しく議論の分かれる部分でもあります。そして,こういう「低線量放射線に対する健康影響」という問題をどう考えるかが,原子力関連施設を巡る論争の中で一番大きな問題になっているように思われます。


ということで,次回はこの辺の話をしてみたいと思います。


って,農薬や化学肥料の是非とかについての話をしてみようかとも思っていたんですが,結局放射線の話に戻っちゃいましたね(^^; 検索キーワードでは「ラウリル硫酸ナトリウム」が一番人気だったりしますので,その辺についてももう少し踏み込んで話をしてみようかとも思っていたりしたんですが,とりあえずもう少しおつきあいください。

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テーマ:科学・医療・心理 - ジャンル:学問・文化・芸術

気になる化学リスク | 18:00:09 | Trackback(0) | Comments(12)
コメント
わざわざ記事にしてくれて恐れ入ります。

「明確な健康被害は現れない可能性が高いです」という文言は個体差のことでしょうから、逆に言えば、許容量よりも少ない被ばくで、遺伝子が傷つけられ、病気になる“可能性”もあるわけです。
特に、X染色体を一つしか持たない男は特に弱いそうです。

もっと聞きたいことがたくさんありますが、現在、出稼ぎ仕事モードですので、頭の中も仕事のことでいっぱいです。
後ほど、お相手してください。
2007-08-25 土 17:44:18 | URL | コスモクリーナー [編集]
こんにちは。

再処理工場の放射性物質放出量は、原発のそれと比べて、非常に多いです。
すぐに消滅してしまう核種もありますが、そうでない核種は、環境中にどんどん増加することになります。
したがって、1年目と2年目とは、シーベルト評価が変わってきます。
10年後は、どうか?
40年後は、どうか?

もう一つ。
海水で“希釈する”とか“拡散する”とか、あなたや原燃は主張しますが、これすら疑問をはさむ余地があります。
あなたは、海へ行ったことがありますか?
なぜゴミは海岸へ寄せあがるのでしょう。
自然の作用でああなるのですが、本当の“希釈”“拡散”ならば、満遍なく、海の上に漂ってもようさそうなものです。
あなたは、海の上を船で走ったことがありますか?
ゴミは、満遍なく広がっているのではなく、潮目にたまっています。
海の“希釈”という話は、正しい理論なのですか?
納得できる回答をお待ちしています。
2007-09-02 日 13:33:51 | URL | コスモクリーナー [編集]
>すぐに消滅してしまう核種もありますが、そうでない核種は、環境中にどんどん増加することになります。
>したがって、1年目と2年目とは、シーベルト評価が変わってきます。

多少は変わってくるかもしれませんが,大勢に影響を与えるレベルではないですね。たとえば半減期の非常に長いヨウ素129に12000倍の生体濃縮係数をかけて計算しても,200年以上分蓄積したとしてもこれらから受ける影響は年間の許容レベルに及びません。有名なプルトニウムやセシウムは排出予定量がヨウ素の一桁下です。沈殿して堆積を数千年かければ,あるは高いレベルの蓄積も可能になるかもしれませんが,生体濃縮で12000倍x200年分の濃縮というのは,ちょっと考えにくいと思います。ですので,あまりご心配には及ばないかと思います。

>自然の作用でああなるのですが、本当の“希釈”“拡散”ならば、満遍なく、海の上に漂ってもようさそうなものです。

はい,その通りです。つまりどういうことかというと,今回例に挙がった浮遊しているゴミが「本当の“希釈”“拡散”」をしていないわけです。

原燃が計画している状況での排出では,クリプトンはただの気体ですし,トリチウムなどは完全に水に溶解した形で排出されることになっています。

ですので,溶解した成分はエントロピー増大の法則に則り(もちろん海流によりある程度大まかな濃淡が存在することはあり得ますが),基本的に濃い方から薄い方にどんどん拡散していきます。

もし,これを手軽に確かめたければ大きめのコップに万年筆のペン先をつけて一晩置いてみてください。どうなりましたでしょうか?

ペン先から溶け出していくインクの動きが排出されている放射性物質の動きと思ってくださって良いと思います。ただ置いているだけだと,ペン先の近くに濃いインクが溜まっているように見えるかもしれませんが,離れたところもほんのり色がついているとおもいます。では,そこに海流に相当する流れを起こす,つまり軽くかき混ぜてみるとどうなりますか?ほぼ均一に混ざったのではないでしょうか。では,この色水をいっぱいに張った風呂桶に入れてみたらどうなりますか?どこかに色の濃い部分が発生しましたか?

ちなみにこのコップに,細かく砕いた発泡スチロールか何かを浮かべたら,海の上に浮かんでいるゴミの動きが観察できると思います。インクの動きとは全く違いますよね?つまりはそういうことです。

という感じの説明でご理解いただけましたでしょうか?もしまだこの辺がよくわからない,説明が足りないという部分がありましたら,いつでもお気軽にどうぞ。
2007-09-03 月 14:27:17 | URL | ぷろどおむ [編集]
こんばんは。

なるほど、40年操業しても、全く問題ないということで。
200年分の余裕があるならば、世界中で200個ぐらいの再処理工場があっても、十分な安全な量だということにもなりますね。

さて、海流のほうですが、次の一文は海流を説明するに当たって妥当なものですか?

「では,そこに海流に相当する流れを起こす,つまり軽くかき混ぜてみるとどうなりますか?ほぼ均一に混ざったのではないでしょうか。」

海がもし、そうであるならば、いずれ、親潮と黒潮は交じり合って、同じ成分や水色になるはずです。
いつなるのですか?

六ヶ所沖の排水口付近は津軽暖流で、親潮とは別物です。
地球が誕生して、数十億年も経過しているのに、なぜか、地球上の海水は均一にならない。
「ほぼ均一に混ざったのではないでしょうか」という答えは、私には、理解しかねます。

2007-09-08 土 19:35:50 | URL | コスモクリーナー [編集]
いつもコメントありがとうございます。

「軽くかき混ぜてみると…」の一文は,「流れが存在すれば,拡散の速度が速くなる」ことを表現したつもりです。

つまり,この場合かき混ぜるときに使った棒から加えられた力=海流から加えられる力に相当することになります。まったく外部から力が加えられないたまり水よりも,海のように外部から力が常に加えられつづけているような場合の方が,拡散速度が高まることをわかっていただきたかったと言う話でした。文章が拙くて申し訳ありません。

ちなみに,余談になってしまいますが。黒潮や親潮の色が周りと違っているのは,色が異なってくる理由が常に供給されているから(参考:http://www.jadowa.org/water/yogo/11.html)で,どちらかというと「まったく混ざらないから」ではなく,「何かと混ざっているから」色が異り続けているわけです。

また,コリオリの力が存在しなくなるようなことが起きない限り,海流という力の流れは,これからもこれまでどおり存在し続け,決して変わることは無いでしょう。そして,海と言う存在が,常に新しい成分が地殻や地表から供給されつづけている非閉鎖系環境である限り,地球上の海水が均一になるなどということは,今回コスモクリーナーさんが疑問に思われた部分とはまったく無関係な部分で,そもそも無理な話なのです。

こんなところで,多少は疑問の解消になりましたでしょうか?他にも何かありましたら,ぜひお願いいたします。
2007-09-08 土 22:37:40 | URL | ぷろどおむ [編集]
こんばんは。

リンク先も読んでみましたが、疑問の解消は、なきに等しいです。

放射性物質の拡散から話がそれてしまいますが、高温高塩分の黒潮と低温低塩分の親潮が混ざれば、その中間性質の海水がどんどん増えそうなものです。
塩分濃度だって、「基本的に濃い方から薄い方にどんどん拡散して」いくはずですし。
そして「海流は拡散の速度を高める」のなら、なおさらです。

どうも素人にはわかりにくい説明です。
2007-09-15 土 19:33:01 | URL | コスモクリーナー [編集]
>高温高塩分の黒潮と低温低塩分の親潮が混ざれば、その中間性質の海水がどんどん増えそうなものです

はいはい、中間性質の海水はちゃんと出来てますよ。親潮と黒潮が衝突して混ざった海水は北太平洋海流となって太平洋を東に流れていくのです。
太平洋をぐるぐるとまわってアラスカあたりで新規に栄養塩をチャージされてくるので、親潮と黒潮の衝突で中間性質の海水がいくらできても、親潮はなくならないのです。
黒潮がなくならないのも同じようなしくみです。
2007-09-18 火 11:35:24 | URL | u!M-u!M [編集]
u!M-u!Mさん、はじめまして。

お答えありがとうございます。

ところで、黒潮の低塩分のほうは、どうやってできるのでしょうか。
親潮のほうは感覚的にわかりますが、黒潮のほうはちょっと・・・。
私の頭では難しいです。
「同じようなしくみ」というからには、きっと、中間性質の海水の塩分が、海洋循環の過程で薄まるしくみのことと想像されますが、具体的にどのようなものなのでしょう?
2007-09-18 火 16:38:56 | URL | コスモクリーナー [編集]
>黒潮の低塩分のほうは、どうやってできるのでしょうか

大洋で海水が蒸発する場所と、それが雨となって降ってくる場所には偏りがあります。
そんな具合で真水がチャージされることで低塩分の海水ができるのです。

2007-09-18 火 17:54:15 | URL | u!M-u!M [編集]
コスモクリーナーさん,u!M-u!Mさん,コメントありがとうございます。特にu!M-u!Mさん,つたない私の説明に注釈をつけていただいてありがとうございます。

コスモクリーナーさんが悩まれている最大の原因は,解放系で起こる現象と閉鎖系で起こる現象が混ざってしまっていることに原因があるんじゃないかと勝手に推測しています。

身近な例の方がわかりやすいかと思って,コップの水などと言う閉鎖系の話を持ち出してしまったのが混乱の原因かもしれませんね。申し訳ありません。

実際の海流においては,栄養塩にしろ塩分にしろ(上記のu!M-u!Mさんとの議論では,途中でこの二つが入れ替わっているように見えますが(^^;),供給源から常に新たなもの供給され続けていると同時に,系内(=それぞれの海流の中)からたとえばプランクトンなどに吸収されたり,沈殿して海底に沈んだり,あるいは周りの海水中に拡散していったりなどと言った形でどんどん取り除かれていくことで,見かけの平衡状態が保たれています。

たとえば泥水の中にホースできれいな水をどんなに長い間流し続けても,ホースから泥水が出てくるようにはなりません。同様に,きれいな水の中に色のついた水をどんなに長い間流し続けても,ホースからきれいな水が出てくるようにはなりません。

また,この泥水やきれいな水がプールのような閉鎖系であれば,泥水は薄められ,水はより濃く色づいていくかもしれませんが,泥は常に供給され続けていたり,プールの端から色づいた水がどんどん浄化槽に送り込まれていたりすれば,ある一定の平衡状態で落ち着いてしまいます。

ところで,放射性成分が拡散されていくという話は納得していただけてるんでしょうか?話がだいぶ明後日の方向に行ってしまったので,どの辺の部分までなら納得していただけているのか,一度教えていただけると助かります。
2007-09-19 水 18:57:06 | URL | ぷろどおむ [編集]
こんにちは。

u!M-u!Mさん、なるほど。
じゃあ、大洋で蒸発している場所では、塩分濃度が濃く、黒潮とは違った海水があるわけですね。
なるほど。

私は船に乗ったりもするのですが、経験上、質の違う海水は、そんなに簡単に混ざらないんじゃないかなあと思っています。
今、三陸沖では、表層域(せいぜい水深10mくらい)に暖かい海水があり、その下は極端に水温が下降した海水があります(本当は、表層が極端に高いだけの話)。
その表面海水は、少し風が吹いただけで、表面だけ速く動きます。
イカ釣りをしている人たちには、この表層と中層の潮流の差があるのは困るのだそうです。
先日の台風やその他の時化で、本来、表層と中層の海水が混ざり合い、潮流の差がなくなっても良さそうなものですが、なぜか、そのまま、表層に暖かい海水が載ったままです。
また、大雨のあと、泥水が川から海へ出て、海水も泥水になりますが、目でわかるくらいはっきりとした境界が海にはあります。
拡散が一様ならば、沖合いに行くにつれて、徐々に泥水が薄くなるはずですが、実際にはそうではありません。
まあ、鉛直方向の潮流が作用してそうなっているものと思いますが、それでも、あのギャップははっきりしすぎています。

塩分にしろ、栄養塩にしろ、分子の集合体にすぎません。
放射性物質もそうであるだろうし。
拡散、拡散といっても、肉眼ではっきりわかるくらい水色のギャップを見せられると、どうも首を傾げてしまいます。
だから、私としては、質の違う海水が、簡単に混じりあうか混じりあわないかに焦点をあたたわけです。


あまりこの話題だけだと困ると思いますので、メールでも結構です。
アドレス入れときました。
2007-09-22 土 10:45:37 | URL | コスモクリーナー [編集]
コスモクリーナーさんが疑問に思ってる最大の原因は,閉鎖系と開放系,分子拡散というミクロな現象と海流(や海面に漂っているゴミ)などというマクロな現象を全部同一の観念で扱えると誤解されているところにあると思います。

一見,直感や直接見えることが正解に直結しそうなマクロな現象も,きちんと細かい部分から積み上げて検証すると間違えて理解していた,なんて言うことはかのアリストテレスですら避けることのできなかったことです。また,アリストテレスが直感により得た自然現象に対する間違った理解が正されはじめたのでさえ,ルネッサンス期まで待たなければなりませんでした。

ところで,やっと放射性物質の拡散まで話が戻ってきたのでもう一度お話しさせていただきますが,コップの中の水にたとえた場合,インクが放射性物質でコップの中の水が沿岸付近の海水,そしてかき混ぜる棒にあたるのが海流から加えられている力です。かなり微妙ですが,おおざっぱにそんな風に考えてください。

私自身は化学屋なので,普段はミクロな現象を取り扱っています。ですので,マクロな現象に関してこれ以上うまく説明するのはちょっと無理かもしれません。GoogleやWikipediaなどを利用された方がよい理解が得られるかもしれませんので,ぜひお試しください。
2007-09-26 水 10:22:13 | URL | ぷろどおむ [編集]
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