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ぷろどおむ

Author:ぷろどおむ
元サッカー少年。今はしがない化学屋です。

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追補:「続・例の「あれ」について」へのコメントについて
 前回のエントリにいろいろとコメントをいただきました。ありがとうございます。コメントとして返答しようかと思ったのですが,相変わらず長くなったのでエントリとしていろいろと。

 まずは匿名希望さんからいただいたコメント

ラジカル増加→細胞破壊→出血だけでなく、
ラジカル増加→炎症→出血も考えられそうです。

放射性物質を含む粒子が鼻粘膜に付着した時、細胞の活性酸素産生量と消去量のバランスがどの程度崩れるものなのかを議論せねばならず、単純な計算だけでは中々難しいのかもしれません。



 炎症で弱くなって何かの衝撃で出血という可能性はあるな,と思っていましたが,炎症というのも細胞に死ぬほどでは無いにせよ何らかのダメージが与えられているということで,今回の条件でもある程度カバーできてるかな?と勝手に思ってました。細胞内の活性酸素発生量も処理量も細胞の種類によっても違ってくると思いますし,今回のケースについても非常に大きな上皮細胞と繊毛の細胞とを同一視して良いのかな?と言う疑問はありますが,そこまで行くと本物の専門家にどうにかしていただかないと無理な領域かと思います。

 次にジョン・ドゥさんからのコメント

ラジカル増加による「炎症」だと一般的な炎症の5兆候の発赤、熱感、膨張、疼痛、機能障害には合致しないわけで。本来炎症では直接の出血ではなく血液のなかの血漿やら白血球が滲んで患部を守るわけで血が出るという事になるとそれは炎症とは別の症状となってしまうわけで



 むむ,この辺になってくると私の守備範囲をかなり超えてきてしまいますね。ごめんなさい。先ほどのコメントのところでも書きましたが,単純に死ぬほどでは無いダメージを喰らったために炎症を起こして対応している状態のところに,何らかの衝撃が加わって通常ならしないはずの出血をしてしまうと言うストーリーはありえないものでしょうか?つまり,ラジカルによるダメージとして一連の流れとして炎症の延長線上に細胞の破壊があるというイメージなのですが…。

 次も匿名希望の方からです。

この計算は粘膜細胞の横の広がりは想定していますか?
鼻粘膜細胞がタテは3個としても面積方向には万単位で並んでいて吸気に含まれる放射性物質はそれぞれにほぼ均等に沈着するはずですから鼻の表面積を細胞の表出面の面積で割った分をさらに乗算する必要があるのではないかと思うのですが 1000倍程度だと15分ワンサイクルなら一日96サイクルあるので10日ほど継続的に吸いつづけてれば達する計算に…



 お察しの通り,横方向というか面積としての広がりは全く考慮していません。イメージ的には,繊毛によりベルトコンベアのように15分かけて排出されながら接している粘膜にダメージを与えていくような感じでしょうか。なので,粘膜表面に常に接しながら移動していると想定してしまっていますが,確かに上皮細胞の表面全体と言うよりは襞の最表面にある繊毛上を粘液とともに移動している方がより正しい姿のような気がします。となると,おっしゃるとおり直接ダメージを与えられる面積をある程度想定して,粘膜の襞を全部伸ばした実表面積と比較する必要があるような気がしますね。探せばきっとその辺のデータというか論文はありそうな気がしますが,もしご存知でしたら教えてください。どちらにしろ,鼻粘膜の構造をしっかりと確認する必要がありそうです。

 つぎにほっけさんからいただいたコメント。ちょっと長いので一段落ずつ。

>強引に細胞のほとんどが水であると思えば,一応繊毛部分を抜けて上皮部分をアタックすることは可能かもしれません。が,さすがに全部水というのはハンデが大きすぎる気がしますので,上皮部の厚さは100 µmであるとする,
>上皮細胞の上にはかなりの数の繊毛細胞が存在していますから,本当はそちらを先に何とかしないと上皮細胞にはたどりつけないような気がします。

いったん考慮にいれて計算した繊毛を、計算後に新しく障害として考慮に入れようとしているように読めるのですが。これは同じ障害を二重に計算していることになりませんか?



 すいません。これは書き方が悪かったですね。繊毛部分は上皮細胞への距離感としては考えましたが,137Csから出るβ線は繊毛部分を素通りして直接上皮細胞の水分にアタックしていると想定していました。なので,一応ダブルカウントにはなっていないと思っています。というか,よくよく読んでみると上皮細胞の厚みを100 µmとか言ってますが,この長さ計算に全然使ってないですね(^^; 今回は,粒子の影響を受けている部分に対して多少上皮細胞が重なっていると想定し,影響を受ける細胞が三層になっていると仮定しています。文章が紛らわしくてすいません。

>上皮細胞の周りには粘液,いわゆる鼻水がたっぷりと存在しており,それらも間違いなくβ線を遮蔽していることでしょう。

鼻水の多寡は個人差があるでしょうし、粘液繊毛クリアランスも同様でしょう。そうした個人差を考慮して、有意に増える可能性まで機序から否定できるでしょうか?



 粘液繊毛クリアランスの速度にしろ,鼻水の多寡にしろもちろん個人差はあると思いますが,健康な状態であれば2桁以上も差があるものでは無いと思います。あっても数倍程度では無いでしょうか?なので,少なくとも今回想定している作用機作による鼻血の発生可能性は十分に低いという結論は変わらないと思っています。

 ですが,この後のコメントでほっけさんが書かれているとおり,今回の話の内容から,他の要因や作用機作により鼻血発生の頻度が有意に上昇したという可能性については,当然否定できません。もちろん,前回及び前々回のエントリは,少なくとも放射線由来による活性酸素(過酸化水素)濃度上昇により出血するというメカニズムは物理学的にありえないのでは無いか?と言うのが主題ですが,震災直後から今までにおいて鼻血発生の頻度が上昇していることを含めた体調異常が生じている可能性については否定していないつもりですし,否定する必要は全くないと思っています。
 もちろん調査も必要ならば今からでもすべき部分は残っているように思います。ただ,個人的には同じ調査を行うにしても,物理的にあり得なさそうな放射線被曝を要因とした体調不良と言うよりも,避難生活や不安感によるストレスなどメンタルな面をより重視した方面から行う方がより良いのでは無いか,と思っています。

 ということで,とりあえずお答えする必要のありそうな部分にはお答えしたつもりなんですが,実はもう一件メールでの通知は来ているのに,なぜかブログ本体には反映されていないコメントもいただいているんですよね。で,その内容は私の勘違いを指摘していただいているものなんですが,今現在どこをどう勘違いしてしまったのか全く分からず悩んでいるもので,結構気になっています(^^; というわけで,コメントを投稿してくださったとおりすがりさん,もしよろしければ(本格的にあきれていらっしゃるのかもしれませんが),もう一度ご指摘いただけませんでしょうか?よろしくお願いいたします。

 ということで,引き続き皆様からのご意見・ご指摘,あと可能であれば参考になる論文や情報の提供などいただけましたら幸いです。よろしくお願いいたします。
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テーマ:自然科学 - ジャンル:学問・文化・芸術

気になる化学リスク | 18:25:53 | Trackback(0) | Comments(2)
コメント
補足エントリありがとうございます。

粘液繊毛クリアランスをふくめた気道全体のクリアランスについては、下記のような論文がありました。
実験動物との違いなどが主に論じられていて、この論文から鼻血だけ考察するのは難しい気もしますが。
http://www.env.go.jp/air/info/mpmhea_kentou/11/mat04_2.pdf
>気道表面の全てが線毛細胞や粘液で覆われている訳ではないことから、気道線毛から咽頭への排出輸送が途絶える可能性が報告されている。吸入された粒子が線毛のない上皮へ直接沈着する可能性があり、沈着した微小粒子はそのサイズのために線毛間を貫通すると考えられている(Geiser ら (2000))。

また、前回コメントで紹介した中間報告ですが、計量社会学者から下記のような指摘がありました。ざっくりまとめると、不安の反映なのか健康状態の反映なのかは、まだ不明と考えるべきとのこと。
https://twitter.com/han_org/status/466616432634384384
https://twitter.com/han_org/status/466618902492241921
>「鼻血」に関する反応を健康状態の客観的な指標とみなすより、まずは「鼻血」に代表される放射線障害への不安をあらわしたものだと解釈すると思います。「鼻血」の刺激に対する反応だけが突出しているとすれば、なおのこと。
>その上で、他の質問項目との関連から、「鼻血」への反応が実際の健康状態を反映したものである可能性を検討するでしょう。例えば、精神的なウツ因子と身体的な因子を析出し、「鼻血」反応が前者とより強い関連を示すようなら、「物語」を反映したものである可能性が高いと考える。

>個人的には同じ調査を行うにしても,物理的にあり得なさそうな放射線被曝を要因とした体調不良と言うよりも,避難生活や不安感によるストレスなどメンタルな面をより重視した方面から行う方がより良いのでは無いか,と思っています。

そもそも阪神大震災後の仮設住宅における健康問題や、PTSDの存在のような既存の知見から、東日本大震災の被災者全体の体調調査はおこなわれてしかるべきだったと思います。生活の保障のためにも。
その時、機序の考察は調査結果にもとづいてする順番でいいでしょう。心理的な影響を除外する方法論も、紹介した計量社会学者のツイートで説明されていました。
個人的には、体調不良や体調不安が全く起きないという考えこそ既存の知見に反していると思います。だからこそ、そうした既知の問題におさまる範囲かどうかを考察することが、放射線由来の問題であるかどうかを考察することにつながるのではないかと……それこそ個人がすることではないと思いますけども。
2014-05-15 木 23:57:25 | URL | ほっけ [編集]
追伸
念のため、ぷろどおむさんには怒っていないつもりです。
ただ、行政がちゃんとPTSD等のメンタル面にも配慮して充分な調査や補償をしていれば、それこそ個人が悩むことなくメンタル面のデータが手に入り、心因性の問題ならばそれとして対処できていたのではないかという意味で、ちょっと行政には怒っています。
(もちろん公的機関が全く調査していないわけはなくて、放射線に対する不安調査などのデータはいくらか公開されていますが)

その意味で「避難生活や不安感によるストレスなどメンタルな面をより重視した方面から行う方がより良いのでは無いか」という意見には賛同しています。
ただ、メンタルのみに機序を限定して考えるのは、鼻血イコール放射線被曝と安易に直結することと同じ陥穽に落ちるのではないかと懸念し、前回のようなコメントになりました。
大災害において、体調不良をひきおこす原因は無数にありますし、そこに知られざる機序が隠れているかもしれません。メンタル面の問題にしても、たとえば発達障害が1980年代から把握されるようになったことを思えば、未知の機序や対処法を想定しなければならないかもしれません。
ですから、「放射線被曝を要因とした体調不良」に限定することだけを否定すれば良く、わざわざ現時点で別の機序に限定する必要はないのではないか、と思うわけです。
2014-05-24 土 09:03:05 | URL | ほっけ [編集]
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