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ぷろどおむ

Author:ぷろどおむ
元サッカー少年。今はしがない化学屋です。

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サッカーにおけるフェアプレーとは[追記有り:100310]
こちらのブログには,サッカーの話は一切書いていなかったのですが,あまりの憤りにmixi日記だけでは止まれず,こちらにも少し書かせてもらいます。

日本時間の今朝未明に行われたクラブWC準決勝は,あのWC2002韓国ラウンドの悪夢を彷彿とさせるひどい内容でした。

ああいうプレーをするチームをサッカー界に残してはいけない。あんなチームをアジア代表として送り出してしまった他のアジア所属クラブチームは猛省しなくちゃいけないと強く思いました。

それにしても,一番情けないのはあんな最悪なプレーを評して「このチームはハートが強い」なんて解説をする解説者と実況です。もちろんろくな批判記事を書かない,新聞各社も同罪です。同じアジアだからといって盲目的に擁護する必要がどこにあるんですか。これだけ注目される試合なんですから,子供たちも見ているんですよ。「悪質なファール=勝利への執念」なんてことになってしまったらどうするんですか。

ベガルタ仙台は,去年今年と二年連続で超過密日程のJ2を最少のカード数で乗り切り,二年連続フェアプレー賞を受賞しました。この快挙に対し,本来賞金が設定されていないJ2フェアプレー賞であるにも関わらず,特別賞として250万円もの賞金が授与されました。

これを「厳しいチェックに行っていないせいだ」などと批判する人もいたようですが,そんなくだらない批判もJ2最少失点という実績の前にはかすみます。カードをもらうような悪質なファールをしなくても,失点は防げることをベガルタは証明したのです。ベガルタのJ2優勝やJ1昇格だけでなく,このことはもっと世に広められていいはずですし,私は今年のベガルタで一番誇れる部分は何かと問われれば,迷うことなくこの事をあげます。

こちらは,Jリーグから発表された「2009Jリーグ アンフェアなプレーに対する反則金」というニュースリリースです。

J1の上位には,磐田(21),山形(23),清水(36),F東京(46)と並んでいます。(()内は,反則ポイント)

下の方を見ていただくとJ2のランキングが並んでいるのですが,ダントツトップは当然ベガルタ仙台の17ポイントです。これは,J1トップの磐田(21ポイント)よりも少ない,つまりJ1,J2通してベガルタは反則ポイントは最少であったと言う事です。

それでもたった4ポイント差じゃないかという人もいるでしょうが,今季のJ1は18チームによる二回戦制34試合であったのに対し,J2は18チームによる三回戦制でしたので,なんと51試合もあったのです。ですから,当然一試合平均の反則ポイント数は磐田の0.62に対し,ベガルタは0.33と約半分となっており,いかにベガルタ仙台がクリーンなプレーをしてきたかと言う事が良くわかります。

ただ,微妙に残念なのはJ1最少反則ポイントの磐田は,今季J1最多失点チーム(60失点)であったりします。得点ランキングでは,川崎(2位),G大阪(3位),広島(4位),鹿島(1位)に続く第5位であるにもかかわらず最終順位が11位と低迷したのは,この失点の多さが効いていたわけですが,その要因として「厳しいチェックが少なかった」と言われる原因になってしまいそうです。

しかし,反則ポイント数が磐田に次いで少なかった山形(23ポイント,1試合平均0.68)は,リーグ5位タイの40失点というすばらしい結果を残しています。今季チーム史上初めてJ1に挑戦し,資金力も小さく(去年の予算時で約11億(PDF),H20年度のJ1平均が34.6億,トップの浦和は約71億(参考PDF:2008年度(平成20年度)Jクラブ個別情報開示資料)),得点力もリーグ17位であったモンテディオ山形が見事に残留を果たしたのは,この堅実な守備があったからこそだと思いますし,反則が少ない分フルメンバーで戦える試合が多かったことも見逃せないでしょう。もちろん,反則ポイントが少ないからと言って必ずしも失点が多いとは言い切れない証拠も見せてくれています。来年ベガルタと行われる予定の,東北ダービーが楽しみです。

同様に反則ポイント3位の清水は7位(41失点),4位のF東京は4位(39失点)と上位につけており,どちらかと言えば磐田が特殊例だったことを示しています。

反対に反則ポイントが一番多かった柏(121ポイント,平均3.56(先ほどの表は間違ってるみたいです))は57失点(17位)と大量の失点を重ねています。また,次に多かった名古屋(116ポイント,平均3.41)は42失点(8位),その次に多い浦和(100ポイント,平均2.94)は43失点(9位)と,当初の期待を裏切る不本意なシーズンとなった原因が垣間見える結果となっています。

ただ,J2の方に目を向けると,正直仙台以外はどうしたものかという数字が並びます。最終ポイント数の多さは試合数が多いから致し方ないとは言え,1試合平均ポイントでもJ1にくらべると多い印象を受けます。このあたりは,やはり純粋にDF技術の差が現れているとしか言いようが無いかもしれません。

J1に比べれば,やはりどうしても落ちているはずの攻撃陣相手に,より多くのファールを与えることでしか止められないという事実の前には,「J1昇格にかける思いが違う」などという言いわけは通用しません。というか,通用させてはならないと思います。

警告をもらってしまうようなファールは,その一瞬のピンチを防ぐことが出来るかもしれません。しかし,累積警告数が増えれば,試合に出場できなくなります。正念場の試合に主力選手が出場できないという事態が,どれだけチームに悪影響を及ぼすかなんてことは,誰にでもわかります。また,万が一の場合,相手の選手生命を縮めてしまう可能性すら秘めているのです。これは,日本サッカー界はもちろんのこと,世界のサッカー界においても大きな損失です。

過去,どれだけ大きな才能が怪我により失われてきたでしょう。仙台・山形をJ1に押し上げてくれた功労者である財前選手は,若い頃に背負った怪我さえなければJ2にいるような選手ではありませんでした。あの中田英寿選手が「今まで見た中で一番すごいと思った選手」という質問に,迷うことなく「財前くん」と答えたという逸話は有名です。

先日の天皇杯・川崎戦で値千金の決勝ゴールを決めた平瀬選手も怪我に悩まされた一人です。彼はシドニーオリンピックでは主力として活躍し,これからの日本を背負うFWとしてかなりの注目を浴びていたすごい選手なのです。正直言って,彼も本来ならばベガルタのような地方の弱小チームに来るような選手ではなかったはずなのです。

もっとメジャーどころで行けば,元レッズの小野選手も1999年に行われたシドニーオリンピック予選のフィリピン戦で,相手DFから悪質なタックルを受け,靱帯断裂の大怪我をしてしまいました。そして,それ以降怪我がちとなり,日本サッカー界のキングとして君臨することを期待された天才は,その輝きを減じてしまうことになりました。

また,今はキャスターとしてその軽妙な話術で人気を博している小倉隆史選手は,その昔「レフティモンスター」と呼ばれ,わずか20歳でオランダに渡り,2部リーグ所属のチームでレギュラーを確保。チーム得点王の称号と共に堂々と帰国し,カズの後を継ぐ日本のカリスマFWとして君臨することを期待され,またそのことを誰1人疑う人はいなかったほどのすごい選手でした。しかし,アトランタ五輪最終予選直前の合宿で右足後十字靭帯を断裂。以後,怪我と戦うことを強いられることとなり,若い頃に見せてくれた輝くようなまばゆい光はすっかり見られなくなってしまいました。

世界に目を向けても,ちょっと古い話で恐縮ですが,ACミランの全盛期(なんとセリエAを無敗で優勝したりしたのです)にオランダ・トライアングルの一角として伝説的なゴールを量産したファン・バステン,イタリアの至宝と呼ばれたロベルト・バッジョも怪我に悩まされたことで有名なスーパースターです。

また,優勝候補として絶対視されていた2002WCのフランスは,本大会直前の練習試合において,韓国選手からの悪質なファールにより絶対的なエースであり主将だったジダンを失い,一次リーグでの敗退を余儀なくされました。彼の選手生活の中でほぼピークを迎えていたはずの大会であっただけに,この怪我によりどれだけ数多くのファンタジーが失われたのかと思うと,残念でなりません。

WC2002で活躍したロナウド選手も,試合中に負った怪我により,その輝きを失ってしまった選手の1人です。彼が怪我をしたのは1999年であり,直前に復帰して出場したWC2002でもその高い技術力で活躍を見せてくれたわけではあるのですが,WC1998フランス大会で彼が見せた,まるで加速装置でもついているかのような瞬間的な爆発力はすっかり影を潜めてしまいました。もし,あの怪我が無ければ,バルセロナFC時代,監督から「私の戦術はロナウドだ」と称され,「ファールをしても止められない」と言われた爆発力と,数々の経験を積み円熟した技術のハーモニーが見られていたはずです。

小野やジダンのような直接的なものもありますが,彼らが負った怪我の全てが敵から与えられた悪質なファールを原因とするものではありません。しかし,彼らは,みな絶対的なエースとして君臨したが故に,相手DFの悪質なファールに悩まされ続け,それにより怪我の回復が遅れ,悪化させてしまったことも,また事実です。そして,彼ら以外にも,怪我によりその才能の輝きを失い消えていった選手は数多く,枚挙の暇もありません。もし,もっとクリーンでフェアなプレーがサッカー界にもっと徹底されていれば,彼らはどれだけ多くの感動を私たちに与えてくれたことでしょう。

いわゆる「プロフェッショナル・ファール」という単語を聞くことがあります。時々この言葉を盾に,「ファールばかり気にしてるような根性無しは必要ない」などという暴論を吐く人がいます。しかし,「プロフェッショナル・ファール」に「プロフェッショナル」という単語がつけられて呼称されているのは,それなりの理由があるのです。ただの「ファール」とは一線を画すものとして評価されるべきものなのです。いくら自分たちのチームが勝つためとは言え,相手に怪我をさせたり,チームにとって害をなすだけ(すでに退場者が出ているのに,一発レッドをもらうなんて言うのは愚の骨頂)のものであったりするものは,「プロフェッショナル」などという称号を関するに値するものではなく,「愚かで悪質な危険行為」として唾棄されるべきものです。



それにしても,現在冒頭で紹介した浦項で唯一の日本人としてプレーし,今回のクラブWCにおいても唯一の日本人選手として参加している岡山選手は,昨シーズンまでベガルタでプレーしてくれていた選手です。残念ながら昨シーズン末に戦力外となり,今年の夏から韓国の浦項でプレーをしておりました。

でも,本当に切実に思います。

どこか岡山を日本に呼び戻してくれるチームはないのか

岡山はこんなチームにいていい選手じゃありません。もっと良い環境でプレーをさせてあげたい。

味方の悪質なファール直後(すでに三人もの退場者が出ていなければ,確実に一発レッド相当)に,泣きそうな顔で檄を飛ばしていた岡山選手の表情が,瞼から離れません………。

追記:2010/03/10
大事な選手のことを書き忘れていました。浦和レッズの田中達也選手です。彼は小柄な体ながら,卓越したドリブルとシュートセンス,そして献身的な守備への貢献を武器に研鑽を重ね,2005年ついに日本代表の座を射止めます。そして初先発となった中国戦で初得点を記録し,プレースタイルが非常に良く似たセレッソ大阪や日本代表で活躍し続けていた森島選手の後継者として今後の活躍が期待されていたのですが,同年10月試合中に受けた背後からのタックルにより右足関節脱臼骨折という大怪我を負いました。復帰まで要した期間277日。当然,代表選出が有望視されていた翌年のドイツWCを棒に振ることになったどころか,これ以降怪我がちになり,現在までの5年間一度もまともにシーズン通してプレーできる年が無いような状態になってしまいました。

そのような傾向が良いか悪いかは別にして,岡田監督好みのプレースタイルを持った選手であるだけに,この怪我さえなければ現代表チームの得点力不足が幾分かは解消されていたのではないかという思いは消せません。

アテネオリンピック代表にも選ばれ,次代を担う若手の俊英として期待されていた田中選手も28歳。そろそろ選手生活の終盤を迎えようとしています。本来であれば一番輝いていたであろう5年間を怪我との戦いに費やしてしまった田中選手ですが,ここからの5年は一番脂がのりきったプレーを見せられる時期です。まだまだ輝いていけるはずなんですから,ぜひもう一度ブルーのユニフォームを着た姿を見せてください。

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雑談 | 15:32:03 | Trackback(1) | Comments(0)
合成界面活性剤は魚に対して毒なのか
あんなさんからコメントをいただきましたが,いつものように長くなったのでエントリにします。

ご質問なんですが、人体には影響がなくても、水中で生活する生き物への影響は大丈夫なのでしょうか??
娘が皮膚が弱いのもありますが、環境のことも考えて、現在は合成洗剤やシャンプーなどは使っていないんです。
環境への影響もさほど心配ないのでしょうか…。



こちらのエントリでも少し書いたのですが,界面活性を持つ物質は,水生動物に対して毒性を示すことが多いです。これは,物質そのものが持つ毒性ではなく,洗剤に必須な「界面活性」という性質に由来するものですので,合成界面活性剤だけではなくいわゆる「石けん」も界面活性を持つ以上は避けることは出来ません。

ただ,実際の河川(特に下流域)のように,金属イオンを大量に含む水圏中ですと,石けんはいわゆる「金属石けん」となって沈殿しますので,界面活性剤が持つ水性毒性を示しにくくなります。でも,金属石けんというのは要するに「石けんカス」のことですので,以下略。という感じです。

さて,合成界面活性剤というと非常に幅の広いものになってしまいますので,とりあえず悪の権化扱いされているラウリル硫酸ナトリウム(SDS)についてお話しします。

こちらのMSDSによれば,魚毒性は1.8mg/Lとなっております。”Daphnia agna”というのはミジンコのことなんですが,このデータはこの濃度のSDS水溶液中にミジンコを48h(このMSDSでは46hとなっておりますが,通常この手の試験は48hで行われますので誤植かもしれません。参考:ミジンコ急性遊泳阻害試験の項)入れると,半数のミジンコがまともに泳がなくなることを示しています。

普通のボディシャンプーなどにどのくらいの界面活性剤が入っているのか詳しいデータが手元にないのですが,SDSが界面活性を持つために必要な臨界ミセル濃度(CMC)はだいたい8 mmol/L=2.3 %程度になるので,多めに見積もって5 %とします。すると,洗剤として36 mg/Lが,洗剤の遊泳阻害半数影響濃度 EC50となります。

通常,ボディシャンプーの使用量は一回当たり4~5 g程度でしょうか。仮に5g 使ったとすると,EC 50以下の濃度にするために必要な水は約140Lになりますので,一般家庭用の浴槽1杯分弱と言う事になりますから,普通に入浴した際に出てきた家庭排水中で魚を飼うのは無理があるかもしれません。

しかし,家庭排水というものは環境に出るまでに十分に薄められるものですし,マンションなどの集合住宅であったり,下水道がきちんと整備されている状況であれば,途中で浄化処理なども行われています。なので,もちろん,娘さんのお肌の状態が最優先なのは言うまでもないですが,環境のことだけを言えば,それほど過敏になる必要はないかと思います

ところで,環境のためにもお肌のためにもお財布のためにも(^^; 洗剤は使いすぎることなく適切な量を使うのが望ましいのは言うまでもありませんが,環境のことを考えるのであればもっと先に考えなくてはいけないことがたくさんあります。

私は,環境を守る上でまず一番気をつけるべきことは,「ゴミはゴミ箱に捨てて,専門の機関・業者に処理を依頼する」と言う事だと思っています。

本当に簡単なことで,きちんと守れている人はたくさんいると思います。でも,守れていない人はもっとたくさんいるというのは,残念ですが事実です。

産業廃水・産業廃棄物については,厳しい規制が敷かれ,厳格な管理体制が義務づけられています。家庭排水についても,全国に数多く設置されている下水処理場ががんばっていますし,家庭で使われる様々な工業製品も環境負荷がなるべく低くなるような製品作りを目指し,企業は努力し続けています。

もちろん,産業排水・廃棄物は有害物質の濃度も高く,大量でもあるため規制されるのは当然です。家庭排水・廃棄物も有害物質の濃度は低いですが,量的には産業排水・廃棄物にひけは取っておりません。

でも,空き缶やタバコ,プラスチックゴミやその他様々なものが道ばたに,山中に,河川に,海辺に捨てられています。

いくら様々な企業が工場からの排水・廃棄物を浄化し,製品に含まれる有害物を減らしていったとしても,どんなに家庭から有害な物質がなるべく環境中に出て行かないように気をつけても,どんなに自治体が一生懸命に下水処理場を建設しても,そういった廃棄物処理ルートに乗せずに直接環境中にゴミを出してしまったら,何の意味もありません。なにしろ直接環境中に放出されるわけですから,下水道が整備された家庭で合成界面活性剤を使うとか使わないとか,そんなものは完全に誤差に入ってしまうような世界になります。これではいくら細かい努力をしても何の意味もありません。簡単にできるけど徹底できていないことを徹底する。スポーツにおける反復的な基礎練習同様,こういったことが一番大切なんじゃないかな,と思います。

あと,環境負荷と言う問題を考える時に忘れられがちなものに「生産時のコスト」があるのではないかと思います。

環境を気にする方々は一般的に「大企業による大量生産品」を嫌う傾向があるように見えます。曰く「効率最優先であり,環境に優しくない。非効率でも環境に優しい製品を使うべきである。」このような主張をされる方は,非常に数多くいます。

でも,よく考えてみて下さい。安価に効率優先で製品を作るというのはどういう意味ですか?

これは,より少ない原料とより少ない労力によりモノが生産されていると言う事に他なりません。つまり同量を生産する場合,必要とされる環境負荷がより小さいことを意味しているわけです。いくら非効率な生産方法が,機械や電力をそれほど使わずに生産しているとしても,それに携わっている人間は霞を食べて何も排泄せずに生きていけるわけではありません。生産された物品一個あたりに消費されている人間の労力は,大量生産品とは比較にならないほど大きなものです。

もちろん非効率な生産方法では,大量生産は不可能ですので,現実問題としての環境負荷は小さくなるかもしれません。しかし,生産されたものから得られるメリットも極めて限定的になるわけですから,そのような比較は全くフェアではありませんし,非効率な生産方法しか持たない社会では少数の人間しか養うことが出来ないと言う事は,産業革命によりどのくらい人口が増えたかを考えれば,火を見るよりも明らかです。

今の日本の社会がこのように恵まれた環境にあるのは,石油という様々な利用価値を持つ効率的な素材を,高い技術力により最大限有効活用した結果であり,この日本に暮らしている人は,その恩恵にあずかって暮らしていることをもっと意識すべきではないかと思います。正直,こちらのエントリでも少し書きましたが,いわゆる「エコでロハスな暮らし」が,いかにエネルギーを浪費していて,環境に対する負荷も非常に高い贅沢な暮らしであるかと言うことを感じる感覚が,今の日本人には足りていないのではないか,と思っています。

子供が無事に生まれるように様々なお祈りをし,無事に産まれれば神に感謝し,3歳5歳7歳と順調に育てばさらに盛大にお祝いをしたくなる社会。そして,ある程度育った子供は労働力として活用しなければ生きていけなかった社会。30以上での出産なんて考えられず,もっと若いうち(14~15歳)から結婚して出産を意識しなければならなかった社会。出産に伴うリスクを乗り越えてでも,新たな労働力の誕生を期待しなければならなかった社会。人生50年。もしも60まで長生きできたら,親族をあげてお祝いをしたくなる社会。そのような社会と,出産時の事故が一大ニュースとなり,医師に無謬性まで求められてしまう社会。また,餓死や貧困が悲劇としてセンセーショナルに報道され,人口構成の高齢化が社会問題になってしまうような社会。どちらが「生きやすい」社会なのでしょう。

我々は,現代の世界においてすら,おそらくもっとも高いレベルで恵まれている社会の中に暮らしていることを,きちんと自覚しなければならないと思います。

テーマ:科学・医療・心理 - ジャンル:学問・文化・芸術

気になる化学リスク | 17:55:20 | Trackback(0) | Comments(2)
紙おむつと経皮毒?
このブログを読んでくださっている方から,「紙おむつや生理用ナプキンの中に経皮毒が含まれていると聞いて心配なのですが…」というご相談をいただきました。

正直私とは全くと言っていいほど縁遠い品々(^^; なので,全く聞いたことがなかったので少し調べてみましたが,正直ちょっと良くわかりませんでした。

一番近いのかなぁ?と思われる話がこちらのその名も「経皮毒から身を守ろう!」というタイトルのブログで書かれている「生理用ナプキンの経皮毒」という話でしょうか。

生理ナプキンに使われている高分子吸収体(ポリマー)は石油から作られています。
その高分子吸収体(ポリマー)を、清潔感があるように真っ白に漂白した綿花で包んだのが生理用ナプキンです。

実はこの高分子吸収体(ポリマー)や漂白がくせ者。
微量ですがダイオキシンを含むことがアメリカなどで報道されています。

生理の際このナプキンを使うことによって、ダイオキシンが女性器に直接触れてしまいます。
経皮毒を吸収しやすい部位の項で書いたように、有害物質は性器からは他の皮膚の部分より簡単に体内に入ってしまうのです。



2007年のエントリなので,結構昔から言われているんですね。というか,ダイオキシンが悪者になっているのも時代を感じます(といっても,2007年だとかなり遅めですが(^^;)

高分子吸収体とダイオキシンというのは,それぞれの分子構造を考えると???という感じなので,漂白剤がポイントなんでしょうか。ということで検索かけてみると,どんどん出てきますね。やはり塩素系漂白剤を使うことでダイオキシンが発生するというストーリーのようです。

で,紙おむつの方もそう言うストーリーなのかな?と思って調べてみると,こちらの方はどんどん主張が荒くなってきていて,単に「石油由来の合成品だから良くない」という主張が主流のようで,一部に塩素系漂白剤について言及しているところがあるものの,一般的には「石油由来の製品を赤ちゃんのデリケートな肌に触れさせるなんて!」というご意見のようです。この辺は根強い「天然信仰」と言えるでしょうか。こういうのは,いかんともしがたいものがありますね。

で,そもそも生理用ナプキンとダイオキシンの関係ですが,どうも1980年頃に起きた「タンポンショック」と呼ばれる事件が,そもそもの発端な様です。(参考:使い捨てナプキンとダイオキシンについて)この知恵袋の回答によると,タンポンの不適切な使用がそもそもの原因のようなのですが,ぐるぐる回ってみると布ナプキンを推奨しているブログなどでは「タンポンに使われているレーヨンが悪い」となっていたりしますし,当然「ダイオキシンが真の原因なのでは」としているところもあり,かなり伝言ゲームの様相を呈してきております。

ただ,ここのブログを読んでくださっている方々はすでにご承知のことかと思いますが,今さら「ダイオキシンが入ってる可能性があるから危険だ!」と主張するのは,かなり筋が悪いです。すでにダイオキシンは人に対してはそれほど強い急性毒性を持たないことは常識となっておりますし,慢性毒性と言うか,俗に言う「環境ホルモン」問題もすでに過去のものであり,専門家の間で「ダイオキシンが!!」とか叫んでも,もはや苦笑いの対象にしかなりません(^^; 危険性を主張するにしても,量的な関係について少しくらい言及してもらいたいものです。

まぁ,最近記述されたものはすでに「ダイオキシン・経皮毒」というよりは,「ゴミを減量・エコ」を重要なキーワードにしているようなので,その辺は時代を反映した売り込み方をしていると言う事なんでしょうね(^^;

それにしてもこの手の話題を調べていると,「化学製品」を蛇蝎のごとく毛嫌いしている人が世の中こんなに多いのか,とかなり鬱になります。かなりの極論ではあると思いますが,現在の高分子吸収体を利用した生理用品や紙おむつの存在が全くなかったとしたら,女性がこれほど社会に進出することは出来なかっただろうに?なんて思いすら出てきてしまいます。相変わらず了見が狭いですね(^^;>私

それにしても今回もいろいろなサイトを見ていて思ったのですが,布ナプキンや布おむつでかぶれたりしながら,よりよい使用法を求めて試行錯誤している方が結構います。そういえば,石けんなどでもどうやったら石けんでうまく洗濯が出来るのか,とか,石けんシャンプーに合う酸性リンスはどう調整してどう使えばうまくいくか,などとかぶれたり不具合を起こしたりしながら,相性の合う製品を探したりノウハウを開発する方がたくさんいます。でも,どうして同じことを市販の化学合成品でする方が少ないのでしょうか。

どうして石けんなどでかぶれたり不具合が起きるのは使い方が悪いせい」だと言う事は理解できるのに,「合成洗剤で起きる不具合は製品が悪い」と短絡的に考えてしまうのでしょう

先ほども書きましたが,布ナプキンや布おむつなどでもかぶれたりいろいろなトラブルに遭っている人たちは,意外とたくさんいます。全ての人が最初からうまくいってるわけでは無さそうです。でも,なぜかそういうトラブルには前向きにいろんな対処法を考え出して対応しています。こまめに取り替えてこまめに洗おうとか,装着する方法や素材にもこだわったりと,大変な努力を重ねています。でも,そう言う人たちは,高分子吸収体を使っている製品を使っていた時にも,そこまで大変なトラブルが続いていたのでしょうか?

このような人たちは,経皮毒の問題がクリアになれば高分子吸収体を使った製品を使うようになるのでしょうか?なんとなくまた別の理由を探し出しそうな気がしてなりません。

もちろんいわゆる「ケミカルなもの」と相性が悪い人が存在するのは,ごく当たり前のことです。私も結構困った経験があるので,そういうニッチなニーズに対応するための選択肢が存在することは大切だと思います。でも,自らの優位性を主張するために「化学合成品」を悪の権化として扱う必要はないだろうと思うわけです。

たとえば,誰もが手作り石けんで幸せになれるわけではありません。私のように,石けんを使うことが出来ない体質の人間もいるわけです。同様に,布ナプキンや布おむつではどうしてもかぶれてしまう人だっているはずです。小学校低学年の頃からしばらくの間,正確に言えば某巨大企業のボディシャンプーの存在を知るまでは,私は体を洗剤で洗うことが出来ませんでした。私にとっては,私の体質に合う某巨大企業製の合成界面活性剤を利用したボディシャンプーは必要不可欠なものです。同じように,布ナプキンや布おむつではどうしてもかぶれてしまう人たちにとっては,水分をしっかり吸収し,通気性も良い高分子吸収体を利用した製品はとても大切なアイテムであるはずです。

全体の0.01%の方に不具合が生じてしまうことは,どうしても避けられないのかもしれません。でも,残りの99.99%の人たちは,利便性を捨ててまでそのリスクに対応する必要はないかもしれないのも事実です(というか,現在普通に売られているものは,それ以上のレベルで安全性のチェックが行われています)。この辺は個人個人が行うリスクマネージメントの範疇ですが,より正しい判断を行うためには,正しい情報が提供されなければいけません。一部のリスクだけを誇張した偏った情報は,その判断を誤らせる大きなバイアスの原因となります。

だいぶ前のエントリでも書きましたが,「他者(社)を貶めているセールストークは疑え」というのは,我ながらいいこと言ったんではないかと思っていたりします(^^;

というわけで,ついでと言っては何ですが,今まで書いた経皮毒に関連しそうなエントリをまとめてみました。結構書いてましたね。お暇がありましたら,ぜひどうぞ。

経皮毒関連

「経皮毒」とは?? 経皮毒というキーワードが初めて出てきたエントリです
「植物性合成界面活性剤」とは 厳密には経皮毒とは直接関係ないですが,その手の業者についてです
体に悪いのはどちら?? これも経皮毒対策を謳うマルチ絡みの話です。コメント欄も読んでください。
コロイドの定義とか羊水の匂いとか こちらもマルチ絡みです。有名な「羊水の臭い」の話です
「危」の標識が意味するところ 経皮毒関連のサイトで見つけたあまりにもあまりな間違いに突っ込んでます
ラウリル硫酸ナトリウム「取り扱い上の注意」の読み方 上の話の続きです。こういう煽りは許せません。


ラウリル硫酸ナトリウム関連

ラウリル硫酸ナトリウムはどのくらい怖いのか ある意味このブログの出発点かも 
続・ラウリル硫酸ナトリウムはどのくらい怖いのか ラウリル硫酸ナトリウムの毒性に関するデマの話です
続々・ラウリル硫酸ナトリウムはどのくらい怖いのか ちょっと話が横にずれて陰謀論批判みたいになってます
ラウリル硫酸ナトリウムはドイツで使用禁止にされている? ラウリル硫酸ナトリウムがドイツで使用禁止であるというデマについて
続・ラウリル硫酸ナトリウムはドイツで使用禁止にされている? 上記エントリで紹介したデマが出てきた原因について。伝言ゲームって怖いですね。
プロピレングリコールはどのくらい怖いのか 「ドイツで禁止」のエントリにいただいたコメント欄から派生して,その他のいろいろなデマについても言及してます。コメント欄もご覧下さい。
ラウリル硫酸ナトリウムはどのくらい洗浄力が強いのか 「洗浄力」という単語から連想される誤解について書いてみました
歯磨き粉の中のラウリル硫酸ナトリウムはどのくらい怖いのか こちらも良く話題になる歯磨きの話です
ラウリル硫酸ナトリウム入り歯磨きは味覚を破壊するのか 歯磨きの話の続きです。コメント欄もご覧下さい。




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気になる化学リスク | 13:04:47 | Trackback(0) | Comments(2)
はて?
まぁ,大した内容じゃないんですが(^^;

いつの間にかこんなページから当ブログにリンクを貼っていただいていることに気がつきました。

新陳代謝を正常に戻せれば、生活習慣病は怖くない!?(まぐまぐ)

メールマガジンなんですかね?そんな中でこんな感じにリンクが貼られています。

あと、歯磨き粉が、もっと怖いと。。。

 とにかく、殺菌剤「トリクロサン」が使われているメディカルソープや
 「ラウリル硫酸ナトリウム」の入った歯磨き粉を、
 ゼッタイに使わないようにと。
 http://preudhomme.blog108.fc2.com/blog-entry-66.html

 なぜなら、皮膚よりも内粘膜の方が、ウィルスなどの侵入がスムーズに
 行われるし、傷つきやすいからだと。



なんつーか,新型インフルエンザが傷口から感染するという新説にもびっくり(一ヶ月以上前の情報とはいえひどすぎるんですが)したんですが(^^; こういう宣伝をするために,私のブログを利用するのは大失敗ではなかったかと思うのですが,どんなもんだったんですかね?読者の反響がどうだったのかがものすごく気になります(ぉ

まぁ,たぶんこのリンクのタイトルが「ラウリル硫酸ナトリウムはドイツで使用禁止にされている?」だったので,タイトルだけ見てリンク張っちゃったんでしょうねぇ(^^;;;;;;;

まぁ,私としてはこういう内容のメールマガジン読んじゃってる人に宣伝できて,願ったりかなったりだったりするわけ何ですけどね。

以上,ちょっとした雑談でした。

テーマ:今日のつぶやき - ジャンル:ブログ

雑談 | 13:35:41 | Trackback(0) | Comments(0)
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