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ぷろどおむ

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元サッカー少年。今はしがない化学屋です。

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国策として科学技術予算を削減するなら納得しましょう
事業仕分けによる科学技術予算の削減が話題になっております。

中でも大々的に報じられているのが,スーパーコンピュータ関連予算なわけですが,「世界一じゃなくてもいいじゃないか」という結論に賛否両論出てるようです。

もちろん,この分野は日進月歩なので,世界一の座を一時的に獲得したとしても,早晩追い抜かれてしまうのは当然なんですが,それと同じセリフが,世界記録を目指して日々努力しているアスリートにも言えるのか?という素朴な疑問はあるわけです。

科学技術というものは,継続性の有無がその優劣を決めると言っても過言ではありません。特に発展のスピードが速い分野であればあるほど,継続しているか否かの重要性は高まります。革新的なブレイクスルーが,まったく無関係の分野から突然現れる可能性はゼロではありませんが,それを期待するのはあまりに科学を嘗めていますし,無関係な分野の発明・発見をその分野に応用できることに気がつくのは,多くの場合日々その分野に精魂を傾けている人です。

世界一の性能や世界初の成果を目指して日々努力をしていることにより,その分野における実力が維持できるという一面がきちんと理解されていたからこそ,国策としてこれまで様々な科学分野の研究が支えられてきました。

休耕田が再びまともな耕地になるには時間がかかるように,科学技術も一旦止めてしまえば,世界の潮流には全く追いつけなくなります。

かつての日本は,世界有数の航空機技術を持つ国でした。しかし,敗戦後航空機開発に関する研究は全てストップされたため,現在この分野はほとんど国外の企業に抑えられてしまっています。高額のライセンス料金を支払ってライセンス生産を行うことで,かろうじて最低限の技術力を保っているだけです。

同じことはロケットの分野でも言えるわけです。やっと世界レベルに追いつきかけたこの時期に,GXロケットの開発を止めるなんて自殺行為に他なりません。

耕作可能な土地も少なく,資源も少ない日本が,金融を骨抜きにされ,今度は科学技術の芽が摘み取られようとしています。現政権は,50年後,100年後,いったいどうやってこの国を成り立たせていくつもりなのでしょうか。

環境立国なんて大層なお題目を掲げていたりもしますが,今現在ある環境技術と呼ばれるもののほとんどが,先端科学技術の粋を集めたものであることを理解していないのでしょうか。もちろん先端的な科学技術だけではなく,環境への影響や,現状把握はもちろんのこと,実施された方策の効果を判定するためには詳細で地道な実地調査,幅の広い生態系の調査など,様々な基礎科学分野の知識を集積させなければいけません。さらに言えば,そのように地道な作業により得られたミクロな事象を総括し,マクロな現象として網羅的に把握・理解をする時に,スーパーコンピュータがどれほどの威力を発揮するのか。また,より高い精度での理解を深めるためには,どれだけ高い能力のスーパーコンピュータが必要なのか。そのように高い能力のものが,「作りたい」と思った時にすぐ作れるようなものなのか。とてもじゃないですが,現在の事業仕分けにおいて,このような細かい現実が考慮に入っているとはとても思えませんし,こういった側面を理解しようと思っているようにも全く見えません。

結局のところ,今回の事業仕分け自体が財務省のお手盛りであったという報道もあります。

事業仕分けで極秘マニュアル=財務省の視点を指南-政治主導に逆行・行政刷新会議(時事通信)
政府の行政刷新会議が2010年度予算概算要求の無駄を洗い出す「事業仕分け」で、事務局が極秘の査定マニュアルを作成し、民間有識者など仕分け人に配布していたことが17日、明らかになった。財務省の視点に基づき、仕分け対象事業の問題点を列挙、各担当省庁の主張に対する反論方法まで具体的に指南する内容。政治主導を掲げた事業仕分けが、財務省主導で進んでいる実態が明らかになった格好だ。
 事業仕分けは、予算圧縮に向けて国会議員や民間有識者ら仕分け人が、各省庁が要求した事業項目を外部の目を通じ、「財務省には無い視点」(枝野幸男ワーキンググループ統括)でチェックする仕組み。すべて公開で実施され、鳩山政権初の予算編成に当たって導入された。
 査定マニュアルは、事業仕分け前に「参考メモ」として仕分け人に配布され、事業ごとに「論点」を提示し、問題点などが個条書きされている。マニュアルに従えば、対象事業に詳しくない仕分け人でも、厳しく問題点を指摘できる仕組みだ。 



財務省としても,与党から厳命されている「マニフェストの完全実施」「国債発行額の減額」という相反するオーダーを実現するためには,このように切れそうな理由が少しでもあるところから切っていく以外の方策はなかったのでしょう。しかし,それによって得られる「高速道路無料化」とか「子供手当」などのマニフェストに上がっている政策との有益性の比較がなぜされないのか。この点に大きな不満を持っています。

担当者のプレゼン技術や戦術のつたなさを批判する声もあるようです。もちろん,これだけ科学技術の恩恵にあずかっている国も時代もこれまで無かったであろう,と言う現代において,その国のトップに立っている人たちがこれほどまでに科学技術に理解がなかったということを想定していなかったことが,甘かったと言われればそれまでかもしれません。しかし,声の大きいもの,弁の立つものだけが重視される,そんなことで本当によいのでしょうか。

国策として,日本にロケットはいらない,スーパーコンピュータはいらない,というのであれば,そう宣言すればよいのです。国策として,日本には基礎科学なんていらないというのであれば,そう宣言すればよいのです。それが本来の「政治主導」というものでしょう。

「政治主導」というものは,単に政治家が我が儘を言ったり,格好をつけたりするためのものではなく,全責任を政治家が取るという意思の表れであるべきです。

その様に宣言して,それによる不利益も政治が全てかぶる,でもそうすれば国全体としては大きな利益が得られるのだ,というのであれば,納得します。しょせん基礎科学研究なんてパトロンのお目こぼしあってのものです。おとなしく従いましょう。国策によって大量生産されたPDの行く先が無くなってしまったとしても,「お前らの実力が足りないのが悪い」と言われれば,返す言葉もありません。

しかし,そのような覚悟もなく,不都合があれば己の不見識を棚に上げて責任を全て官僚に押しつけ,この国の行く末を決めるような大仕事ですら,このような茶番で片をつけようというのでは,口が裂けても「政治主導」などと言って欲しくありません。

我々が血を流した結果,何が得られるのかを説明して下さい。我々の首を切るのであれば,切られた本人が納得できるような理由を教えて下さい。たとえそれが,「お前らが無能だからだ」でも良いのです。

でも
「来年の参院選で過半数を取るためだ」

と言われたら,いくら本音だったとしてもさすがにキレるかもしれません。

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テーマ:気になるニュース - ジャンル:ニュース

雑談 | 12:33:18 | Trackback(0) | Comments(2)

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