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ぷろどおむ

Author:ぷろどおむ
元サッカー少年。今はしがない化学屋です。

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図解入門 よくわかる最新分析化学の基本と仕組み
図解入門 よくわかる最新分析化学の基本と仕組み (How‐nual Visual Guide Book)図解入門 よくわかる最新分析化学の基本と仕組み (How‐nual Visual Guide Book)
(2009/04)
津村 ゆかり

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このブログを読んでくださっている方に必須かどうかは結構微妙だったりするかもですが,ネタ切れで困っているところで見つけた非常によい本なので,ご紹介です。

著者の津村さんは技術系サラリーマンの交差点というブログも書かれている方です。このブログは私も専門としている分析化学関連の話題を丁寧に書かれていまして,非常に勉強になるためいつも読ませていただいております。この本のこともブログに書かれていたので,早速購入させていただきました。

出版社がコンピュータ関連の本で有名な秀和システムということで,中身の方も一見するとExcelやWordの入門書っぽい体裁になっております。内容もブログで紹介されていたとおり,1テーマが見開き2ページで紹介されるという形式になっており,専門書を読み慣れた身からすると多少奇異に感じますが,その代わりに分析化学という極めて広い分野の概要を知るためには非常によい作りだと感じました。

構成としては,基本用語や基本概念の説明から,試料の前処理法,いわゆる簡易分析法,分光分析(分子分光,原子分光,X線・電子線,質量分析,NMR),分離分析,電気化学分析,データ解析法という流れになっています。著者のご専門がクロマトグラフィーということで,GCやLCは他の分析法と比べると重きを置かれている感じがありますが,分析化学,特に企業の分析部門などで使われている分析法を広く浅く最新のトピックを交えながら紹介されています。

しかし「広く浅く」とは言うものの,単に表面をなでただけの雑学本とは一味も二味も違っています。その象徴的な部分は,データ処理の項でしょう。統計的に扱うために必要な概念についての解説はもちろんのこと,具体的な検量線作成方法についての説明も詳しいです。また,最近話題の「バリデーション」「品質管理」「不確かさ」「トレーサビリティ(=計量学的トレーサビリティ)」についてもきちんと抑えられており,まさにこれから分析化学の世界に入ろうとしている人,またはこれから分析化学の世界を知りたいと思っている人にとって最適な入門書なのではないかと思います。

著者の方も「はじめに」の項で書かれておりましたが,世間一般にあふれている「分析化学」の教科書は,平衡計算(pHとか錯形成とか)や二相間分配などの理論や計算にあふれているものがほとんどです。もちろん「分析化学の研究者」になるためには,これらの理論を熟知している必要があるわけですが,「分析化学を使う」ためには数式よりも具体的な手法やそれぞれの手法の適用範囲,得手不得手などについての方が重要になってくるのは当然です。今回ご紹介したこの本は,まさに「分析化学を使う」ための最初の一歩になりうると同時に,なんとなく興味はあるけど「そもそも分析化学って何?」と思っていらっしゃる方にも,最初の一冊としてぜひお勧めしたいと思います。

(090601 追記)
著者である津村さんからいただいた御連絡によりますと,本書に関する正誤表(PDF:1MB)が出ているようです。

「図解入門 よくわかる最新分析化学の基本と仕組み」正誤表掲載のお知らせとお詫び


このエントリでもものすごく丁寧なコメントをいただきましたが,こちらの「お知らせとお詫び」も,びっくりするくらい丁寧で(^^; 津村さんの誠実さが非常に良く伝わる内容となっております。

ざっと見た感じ,致命的な間違いという感じのものはないように思いますが,ご購入された方は念のためご確認下さい。

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テーマ:紹介したい本 - ジャンル:本・雑誌

本紹介 | 13:32:24 | Trackback(0) | Comments(3)

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