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ぷろどおむ

Author:ぷろどおむ
元サッカー少年。今はしがない化学屋です。

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放射線が出てくる仕組み その1~原子と原子核
コメントでご指摘をいただきましたので,引用させていただきます。

文章中、質問者が「半減期」というものについて、体内への蓄積の問題としてとらえている点が気になりました。ぷろどおむさんも、誤解については文中で指摘されていますが、私としては、そもそも、放射線を出すと言うことが、核の崩壊の結果であり、これが確率的に起こるが故にその放射性核種自体がなくなっていくことへの理解がないが故にそういう誤解をするのではないか?という疑念を持っています。


確かに質問者の方に限らず,この辺を誤解して考えていらっしゃる方は多そうに思います。このブログでも以前放射線に関する単位についての解説をしたことはあるのですが,そういえば放射壊変についての解説はしてなかったことに気がつきました。

ということで,今回はその辺のお話を簡単にしてみようかと思います。良く知ってる方は,間違っていないかどうかのチェックをよろしく御願いいたします(^^;

さて,この辺のお話についてどこから話そうか悩んだのですが,私自身の頭を整理するのもかねて,思い切ってものすごい根っこのところから書いてみることにしました。ということで,まず原子の構造から行きます。

原子の構造として思い浮かべるのは,たぶん原子核の周りを電子がぐるぐる回っている図だと思います(厳密なことを言うと,いろいろややこしいのですが今回の話にはあまり関係しないので,とりあえずその理解で十分です)。そして,原子核がプラスの電荷を持っていて,電子はマイナスの電荷を持っていること。また,基本的にはそのプラスとマイナスの電荷が釣り合っていることなどを思い出された方もいるかもしれませんし,「陽子」や「中性子」という単語を思い出した方もいるかもしれません。

放射線の話をする上で,主役になるのはこの「陽子」と「中性子」です。大ざっぱに言うと,陽子は原子核のプラス電荷の元であり,陽子と中性子が組み合わさって原子核を構成しています。陽子と中性子はほぼ同じ質量を持っていますが,陽子がプラス電荷を持っているのに対し,中性子は電荷を持っていないのが特徴です。ですので,普通は原子の中にある陽子の数とマイナス電荷を持っている電子の数は同じになり,陽子の数=原子番号となります。

いわゆる化学反応と呼ばれるもののほとんどは,原子同士の間で電子がやりとりされることによって起こるものです。ですから,その原子の持つ「化学的性質」はその元素が持つ陽子と電子の数=原子番号にだいたい依存します。そのため,同じ数の陽子を持つ原子の集団を「元素」と呼んでひとくくりにして扱うことが可能となります。

さて,ここでわざわざ「同じ数の陽子を持つ集団」と言いました。なぜそんなことを言ったかというと,ここに原子核を構成するもう一つの要素「中性子」が関わってくるからです。水素(厳密に言えば原子量1の1Hだけが中性子を持ちません。原子量が2の2H,原子量3の3Hは原子核に中性子を含みます)を除く元素はすべてその原子核に中性子を含んでいます。電子は非常に軽い粒子ですので,原子の質量はほぼ原子核の質量と考えてかまいません。また,陽子と中性子はほぼ同じ質量を持ちますので,各原子の質量は陽子一個分の重さを1として数えた「原子量」と呼ばれる数で比較することができます。

原子の原子量から原子番号を引いた数は,その原子の持つ中性子の数と同じです。たとえば,ヘリウム(He)4は原子番号が2で原子量が4ですから,陽子を2個と中性子を2個持っていることがわかります。同様にウラン(U)235は,原子番号92原子量235ですので,陽子を92個と中性子143個,ウラン(U)238は陽子92個と中性子146個を持っているわけです。もしお手元に周期表があれば(参考:一家に一枚周期表)見ていただくとよくわかると思うのですが,原子番号が大きくなればなるほど,原子番号と原子量の差が大きくなっていきます。これはつまり,原子番号の大きい原子になればなるほど,中性子をたくさん持ちやすいことを意味しています。ここもちょっと重要なところなので,ぜひ覚えておいてください。

さて,さらっと書きましたが,235Uと238Uのように原子番号が同じで原子量が違う(=中性子の数が違う)ものを同位体と呼びます。同位体は陽子の数が等しいので,その化学的性質はほぼ等しいと考えられます。しかし,大きく異なってくる性質があります。それが原子核の安定性です。そして,これこそが放射線というものが存在する大きな理由になります。

原子核の安定性は,含まれる陽子と中性子のバランスにより決定され,一般的にどちらも偶数の時が安定であると言われています。また魔法数(魔術数)と呼ばれる特に安定的な陽子と中性子の組み合わせも知られています。この辺の話を深めると本の一冊や二冊は簡単にかけてしまうほどの量になりますので,今はとりあえず陽子と中性子の数が違うと原子核の安定性が違うことだけ理解してください。他にも,そもそもどうしてそんなにいろいろな種類の同位体が存在しているのかについて疑問に思われる方もいらっしゃるかと思いますが,その辺の話もかなり長くなりますし,そもそもまだ完全に解決してる話とも言い難い部分が残っています。というわけで,とりあえず現実問題として天然中には数多くの同位体が存在しているのは事実であるということで,この辺は諦めて受け入れていただければと思います。

受け入れていただけましたでしょうか。

と,快く受け入れていただいたところではありますが,だいぶ長くなってきましたし,まだまだ先も長い(^^; ので,続きは別エントリにしたいと思います。なるべく早めに続きを書くつもりではありますが,わからない点や間違っている部分があったらご指摘いただければと思います。

…………,よく考えたら「半減期」どころか「放射壊変」にすらたどり着いてませんね(^^; もうしわけありません。次に期待して下さい。

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テーマ:環境・資源・エネルギー - ジャンル:政治・経済

雑学 | 13:45:46 | Trackback(0) | Comments(3)

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