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元サッカー少年。今はしがない化学屋です。

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放射線が出てくる仕組み その2~放射壊変
さて,忘れないうちに続きを書きましょう。大変申し訳ありませんが,今この文章を読んで下さっている方々は,すでに前回の最後でいろんなことを諦めて受け入れて下さったものとして話を進めさせていただきます。

前回のお話では原子核の安定性は原子核の中に含まれる陽子と中性子の数のバランスなどによって決まり,同じ原子番号(=陽子の数)を持っていても原子核の中に含まれている中性子の数が異なる「同位体」と呼ばれるものがあることを説明させていただきました。

ところで,ウランのように大きな原子番号を持つ元素となると,前回も説明したとおりたくさんの中性子を抱えることになり,非常に不安定となります。もちろんウランより大きな元素ならなおさらです。

そのような時元素はどういう振る舞いをするかというと,どうにかして安定な状態になろうとします。では,どうすれば安定な状態になるのでしょう?

答えは簡単,不安定になっている原因は陽子と中性子のバランスがよろしくないためなのですから,陽子や中性子がちょうどいいバランスになるように調節してあげればよいわけです。つまりこれが

放射壊変

という現象です。

放射壊変には大きく分けて3種類あります。一つはα線を出すα崩壊,一つはβ線を出すβ崩壊,最後はγ線を出すγ崩壊です。つまり放射線とは,原子核が放射壊変を起こすことで発生してくるものであって,放射線の種類は起きている放射壊変の種類に依存していることになります。そして,このように放射壊変を起こす同位体のことを「放射性同位体」と呼びます。

では,それぞれの放射壊変についてざっと説明しましょう。

α崩壊は,4Heの原子核と同じ構造(陽子2個+中性子2個)を持つα粒子(=α線)を放出する放射壊変です。α崩壊をすると言うことはα線分の陽子と中性子が原子核から失われるということなので,当然原子番号が2減って,原子量(質量数)も4減ります。つまり,α崩壊をしてしまうと,違う元素になってしまうわけです。

次のβ崩壊にはいくつかのモードはありますが,質量数が変化しないまま原子番号が増えたり減ったりするのが特徴です。β崩壊で起きているのは,電子や陽電子(=β粒子,β線)を放出したり捕まえたりすることで,陽子と中性子が相互変換する反応です。そのため質量数は変化しないまま陽子の数が変化することになります。具体的には,陽子が中性子に変われば原子番号が一つ減り(β+崩壊,電子捕獲),中性子が陽子に変われば原子番号が一つ増える(β-崩壊)ことになります。

一般的に,すごく不安定な原子核がα崩壊を起こし,その次のステップでβ崩壊をしてさらに安定化することが多いです。もちろんα崩壊をせずにβ崩壊から始まる場合もあり,どのようなステップを踏んで崩壊していくかはその同位体の種類に依存します。そして,α崩壊やβ崩壊をすませた原子核がさらなる安定化を求めて最終的に行うのがγ崩壊です。

γ崩壊で放出されるのはいわゆる粒子ではなく,電磁波です。逆に言うと,γ崩壊で出てくるような波長の電磁波を「γ線」と呼んでいることになります。α崩壊やβ崩壊により陽子と中性子のバランスをうまく整えることに成功した原子核は,安定化により余ったエネルギーをγ線として放出することで,さらにスリムで安定化した原子になります。この反応は当然ですが原子番号や質量数に変化を与えることはありません。

もちろん,一回のα崩壊やβ崩壊で充分安定化できない放射性同位体は,複数回放射壊変を繰り返して安定化していくことになります。しかし,自然に起きている放射壊変は原爆の中や原発の中で起きているように意図的にエネルギーを高めた状態で起きているわけではありません。いくら不安定な状態とはいえ,原子核の中に含まれている陽子や中性子はポテンシャル障壁と呼ばれるエネルギーの井戸の中に押し込まれた状態で「ある程度」安定しています。特にα粒子なんて言う非常に大きな粒子を放出するα崩壊は,本来であればα粒子がその障壁を乗り越えられるくらいの高いエネルギーが与えられないと,起きるはずはないのです。しかし,それでもα崩壊はある一定の確率で現実に起きています。どうしてなのでしょうか。α崩壊はどのようにして起きているのでしょうか。それを説明するのが,量子力学の世界でしか起こらない不思議な不思議な現象。トンネル現象です。

我々の日常生活を支配している古典力学の世界では,外部からのエネルギー補給無しに存在するエネルギー障壁を乗り越えることはできません。たとえば,たとえ蓋の開いた箱であったとしても,その中に入っているボールは,外部からの力(=エネルギー)により十分な運動エネルギーを与えられなければ,箱の壁(=壁の高さ分の位置エネルギー)を乗り越えて外に出ることはできません。しかし,微細な粒子である原子核の中は,古典力学とは違う量子力学の世界であり,この世界では,持っているエネルギーが障壁を乗り越えられないような低い状態であったとしても,ある一定の確率で壁の向こう側に移動することが可能になってしまいます。このような現象を「トンネル現象」とか「トンネル効果」などと呼びます。

もちろんこのトンネル効果が起きる確率は,その粒子が持っているエネルギーに比例します。なのでこの場合,α線が持っているエネルギーが大きい状態(=不安定な状態)であればあるほど,外部にα線が出て行く(=α崩壊が起きる)確率が高まります。つまり,α崩壊がどのくらいの頻度で起きるのか,と言うことはその原子核がどのくらい不安定なのかということに依存するため,それぞれの放射性同位体の種類によってα崩壊の起きる確率が決まってくることになります。

同様にβ崩壊やγ崩壊も,その原子核がどの程度不安定な状態なのかによって起きる頻度が変わってきますので,放射性同位体の種類によって放射壊変が起きる確率というのは決まってくるわけです。

ということで,今回のお話で覚えておいて欲しいことは一点だけ。

放射壊変の起きる確率(=放射線の出てくる頻度)と出てくる放射線の種類は,
それぞれの放射性同位体によって決まっている


という点です。これだけのことを言うためだけなのに,長々とした説明をしてしまってごめんなさい(^^;

というわけで,なんとか放射壊変についての説明が一通り終了しました。かなり大ざっぱな説明なので,意図的に無視したり厳密には正確ではない部分が結構混ざっておりますが,ご了承下さい。とは言え,一応あんまり大きな嘘はついていないつもりですが,あまりにひどいと思われる部分がありましたら,ご指摘いただければと思います。

ということで,まだもう少し続きます(^^; 次は半減期の話です。

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雑学 | 20:33:39 | Trackback(0) | Comments(4)
ふたたびコメントへのお返事(遺伝子組換え作物について)
というわけで,後半戦です。

また、全然関係ない疑問ですいません。遺伝子組み換えとは、と検索を続けていたところ、
「遺伝子組み換え食品を食べると死ぬ。」という大変怖いサイト
http://alternativereport1.seesaa.net/article/56417926.html
がかなり上位にあったんですが、これって科学的根拠があるんですか?


拝見しましたが,全く根拠のある話ではありませんのでご安心下さい。どちらかというと,誰かのジョークを真に受けてしまった,あるいはこのページそのものがジョークというレベルです。

遺伝子組換え作物を食べると,その遺伝子が人体に悪影響を与えるなどという主張は,このページに限らず様々なところに散見していますが,それは遺伝子というものを何か別のもの,たとえば非常に堅い金属の固まりとかそういうものと誤解しているのではないか,としか思えない発想です。正直言って,その様な主張を本気でされている方は,遺伝子と遺伝子が働く機構について全く理解してないと言わざるを得ません。

ご存じかもしれませんが,念のため。遺伝子というものはわずか4種類の核酸が様々な順序で非常に数多く繋がってできているDNAの中のほんの一部分,全体の配列の中にある特別な順番を持って特別な意味を持ったその一部分のことです。この特別な部分が,それぞれ特定の蛋白質を創り出すことで,生命活動をコントロールします。ですから,その特別な配列の一部分が変わっただけで,精確な蛋白質を創り出すことができなくなる=その遺伝子が持つ機能を働かせることができなくなってしまうという非常に精巧な仕組みを持ったものです。

つまり,たとえ何か特別な配列を持った遺伝子を食べたとしても,胃酸による酸加水分解反応でその配列が切られてしまった瞬間にその遺伝子は何の意味も持たなくなり,もっと数多く存在している他の遺伝子たちと何の区別もできないものに変わってしまうのです。

同様に蛋白質もある一定の配列を持つことにより,酵素として働くなどの意味を持つことができる化合物です。そのため,胃酸によりアミノ酸やペプチドと呼ばれる小さなものに分解されてしまうことで,元々その蛋白質が持っていた意味(=機能)はなくなってしまいます。これが,コラーゲンなどをいくら大量に食べても,プラセボ効果以上の結果を期待することができない理由です。

もし,遺伝子や蛋白質を食べることで,その遺伝子や蛋白質の機能を獲得することができるのであれば,世界中に光合成を獲得した草食動物が満ちあふれていてもおかしくないはずですよね?でも,実際にはそんなことはないわけです。つまりはそういうことです。

遺伝子組み換えは出来るだけ避けていますが、お菓子の糖分の原料のでんぷんとなると、表示義務はないだけでほとんどが遺伝子組み換え由来のでんぷんだと思います。
みんな遺伝子組み換えでない、と書いてあったら大丈夫だと思っているみたいですが、使っている油は大手メーカーが遺伝子組み換え不分別ですので、世の中の食べ物はほとんど全てが遺伝子組み換えが入っています。
そのサイトが本当なら、人間に転移するとなると、ちょっと食べてもアウトになり、食べたら最後(かなり怖い)、死ぬまで体内で毒性が継続すると、大変驚く事が書いてあります。
精製後であっても遺伝子は残る事もあるため、でんぷんだったら大丈夫、というわけではありませんので、不安ですね。これも勉強不足が原因ですかね。その怖いサイトが科学から見てまったくのデマで嘘なら、良いんですけど。


大変失礼とは思いますが,間違いなく遺伝子組換えや様々な物質に対するご理解が不足していることが原因だと思います。また,精製されたデンプンや油には機能するような遺伝子は入っていません。なぜなら精製過程で熱や化学処理などを行っていますので,まず確実に壊れているからです。

ついでですが,旧来の交配による品種改良では,たとえばより病気に強い品種を作り出そうとしたら,デンプンをあまり作らないような品種になってしまった。等と言うことがよく起こります。遺伝子組換え作物を心配する必要がないと言うことをより深く理解するために,この辺から少し細かく説明してみましょう。

そもそも従来の交配による育種ではどのようなことが起きているのでしょうか。異品種交配により産まれた子供の遺伝子は,親とは違う形に組み換えられて,新しい表現型(見た目,性質,味など)になります。これが「遺伝子」という観点から見た「品種改良の姿」です。人間で言えば,有色人種と白色人種が結婚した場合,その子供は基本的に有色人種よりの肌や髪の毛の色を持ちますが,元々の有色人種よりは薄い色になります。これが表現型の変化であり,白色人種どうし,(同一の)有色人種同士などの夫婦からは産まれてこない表現型です。また,親が違う人種であった場合,同じ親から産まれた兄弟姉妹同士でも肌や髪の色が微妙に異なっていることが良くあります。植物や家畜における異品種同士の交配でも,これと同様のことが起こります。そして「品種改良」では,このようにして得られた様々な表現型から,目的の表現型を「選別」するのが主な作業です。様々な品種を掛け合わせ,通常は出てこないような劣性遺伝を引き起こしたり,あるいは突然変異を起こした品種の系統(=突然変異を起こした遺伝子)を維持し,目的の品種を創り出そうと努力しています。人間で言えば,たとえば亜麻色の髪をもつ目の大きな女の子が産まれてくるまでパートナーやカップルの組み合わせを換え続けるようなものでしょうか(^^;

しかし,実際子供のいらっしゃる方ならおわかりになるでしょうが,自分の思い通りに夫婦の良いところだけを遺伝してくれたような子供が生まれてくることなんてあり得ませんよね?たいていは,良いところもあれば悪いところも遺伝してしまう(たとえば妻の美しい髪の毛が遺伝しくれたのはうれしいが,口うるさいところまで遺伝してしまったとか(^^;)ことが普通です。ですから,従来の育種でも形は大きいが味が悪いとか,味はよいけど形が小さいとか,そういう様々な失敗が繰り返されてきたわけです。そして,そんな失敗を繰り返しながら,偶然思い通りになった品種(=思い通りの遺伝子組換えができたもの)を見つけ出し,精魂込めて(表現型を維持しながら)増やすことで,新しい品種としてきたわけです。

ただ,その時に注目しているのが,味や見た目だけだったりすると,実際畑で大量に育ててみたら非常に病気に弱くて育てにくい品種だった,なんて言うこともざらにあります。また確率的に言えば,未知の毒を生成している可能性だって,もちろんゼロではありません。

これに対し,遺伝子組換え作物の場合では,狙った機能(たとえば病気)に関わる遺伝子だけを操作しますので,他の部分に影響を与える可能性は,非常に低くなります。ですから,最初の例で行きますとデンプンをたくさん作る遺伝子は残しつつ,病気に強い遺伝子を組み込むなんて言う離れ業が簡単にできてしまうわけです。この部分についてよく考えていくと,「未知の毒を作り出す遺伝子ができてくる可能性」と言うものに関して言えば,実際には遺伝子組換え作物の方が低い事が期待される,ということがわかります。なぜなら,遺伝子組換えでは特定の機能を持つ遺伝子だけが変化しているからです。交配による育種の場合は,一度に多数の遺伝子が変化してしまうため,予期せぬところでそれまで発現していなかった(=機能していなかった)遺伝子が突然働き出す可能性(いわゆる劣性遺伝の発現)はそれほど低くないのです。さらに言えば,耐病性を強化した遺伝子組換え作物は,非遺伝子組換え作物よりも農薬使用量を大幅に抑えることが可能となりますので,より安全性の高い作物を得ることすら可能なのです。

というわけで,遺伝子組換え作物由来の加工品(デンプンや植物油など)はもちろんのこと,遺伝子組換え作物そのものについても敬遠する理由はありません。すでに世界では遺伝子組換え作物の持つ低農薬性や耕作の簡便性が高く評価され,非組換え作物は日本向けに特別に育てられているような状態にあります。お金が潤沢にある方々が,高いお金を払って非遺伝子組換え作物のみをご購入されるのを止める理由はありませんが,個人的にはもっと安く買えるはずの遺伝子組換え作物を使った製品がもっと流通してくれればよいと願っております。

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気になる化学リスク | 15:35:36 | Trackback(0) | Comments(0)
ふたたびコメントへのお返事(放射能について)
ふたたびコメントをいただきましたので,お返事させていただきます。少しずつでも疑問が晴れていただければ幸いです。

体に入ったら出ない、という不安構造で全てが始まったんですね。
一言で結論を言うと、放射線には様々な種類があり特性も全然違う。量が少なければカリウムなどの影響に隠れる。例えばα線の皮膚透過はないが、プルトニウムなど放射性物質が塵などの形で肺に入れば量によっては害がある。
だが、被爆地である広島や長崎の残留放射能レベルや各原発地域の放射能レベルでは、それぞれそこの地域産の農作物や海産物にも、そこに住み続ける人間にも放射能汚染はなく、放射能(放射線を出し続ける能力を持つもの)、放射性物質(放射線を出す物質)が肺の中や体の中に入って体内に留まる事はない。
ゆえにそれらが入って、体内で放射線を出し続ける心配は一切ない。


まず「放射能=放射線を出す能力」「放射性物質=放射能を持つもの」です。ぜひ覚えてください。ここを混同して話をすると混乱します。あと,厳密に言えば

× 放射性物質(放射線を出す物質)が肺の中や体の中に入って体内に留まる事はない。ゆえにそれらが入って、体内で放射線を出し続ける心配は一切ない
○ 放射性物質(放射線を出す物質)が,健康被害を与えるほど肺の中や体の中に入って体内に留まる事はない。ゆえにそれらが入ったことで,健康被害が起きる心配は一切ない

ということになります。なにしろ,原発や原爆,その他の要素が一切存在しなかったとしても,地球上に存在する限り放射性元素を一切体内に取り入れずに生活することは不可能なのですから。

という事は、現在、日本国内ではどこの農作物や海産物を食べても海水を飲んでも放射能汚染はなく、放射能(放射線を出し続ける能力を持つもの)、放射性物質(放射線を出す物質)が肺の中や体の中に入って体内に留まる事はない。よってカリウムの影響に隠れるレベルの影響レベルの放射能すらない、という理解で間違いはありませんか?


この部分に関しても

× 現在、日本国内ではどこの農作物や海産物を食べても海水を飲んでも放射能汚染はなく、放射能(放射線を出し続ける能力を持つもの)、放射性物質(放射線を出す物質)が肺の中や体の中に入って体内に留まる事はない。

○ 現在、日本国内ではどこの農作物や海産物,海水にも健康被害が起きるようなレベルの放射能が含まれているという事実は無い。故に,健康被害が起きるような量の放射性物質(放射線を出す物質)が肺の中や体の中に入って体内に留まる事はない。

ということになります。前回からの繰り返しになりますが,極めてごく微量(検出限界以下)の放射性物質を含む塵や食物が,肺や体内に入り込む可能性を完全に否定することはできません。これらの物質は間違いなくこの世の中に存在しているからです。しかし,これまで書いてきた理由により,そのような極めて微量な放射性物質が健康被害を与える主な原因になることは考えられません。

これは,人間の体内にはごく微量の放射線による影響を修復するための機構がきちんと備えられているということが,理由の一つです。しかし,この社会にはそれ以上のリスクが大量に存在していることも,大きな理由の一つです。現状では放射線関連によるリスクは,社会に存在する様々なリスクと比較すれば,非常に小さく無視できるレベルでしかありません。原子力関連事業に携わる人々が,多大な労力と数百億円単位の資金を投じてがんばっても,喫煙したり飛行機で海外に旅行したりすれば,(その人に関しては)リスクの軽減効果がほとんど無くなってしまいます。

自然(環境)放射線が高い地域の農作物海産物などの件は、例えばバナナだと南米であればエクアドルやペルーやブラジル産、アジアだとフィリピンや中国や台湾産などのものが多いですよね。
スーパーでよく見ますね。これらは放射能が高い心配がありますか。


こちらについても,有意に高い放射能が検出されたという事実はありませんのでご安心下さい。気にせず購入されても全く問題ないと思います。

日本国内では、九州四国や沖縄などの農作物や海産物が、東京など東または北の地域の農作物、海産物に比べて、より放射能が高いなどという事はありませんか?
仮に九州や沖縄に住み続けて自給自足をやったら、毎日その土地で取れた農作物、海産物を食べ続け、体にも当たりまくります。


日本国内では西日本の方が環境放射能レベルが高いとされていますが,もちろん健康に影響を与えるようなレベルではありません。心配する必要は全くないと思います。

非常に長くなってしまいましたので,遺伝子作物に関する話は別エントリにします。

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気になる化学リスク | 15:20:03 | Trackback(0) | Comments(1)
放射線が出てくる仕組み その1~原子と原子核
コメントでご指摘をいただきましたので,引用させていただきます。

文章中、質問者が「半減期」というものについて、体内への蓄積の問題としてとらえている点が気になりました。ぷろどおむさんも、誤解については文中で指摘されていますが、私としては、そもそも、放射線を出すと言うことが、核の崩壊の結果であり、これが確率的に起こるが故にその放射性核種自体がなくなっていくことへの理解がないが故にそういう誤解をするのではないか?という疑念を持っています。


確かに質問者の方に限らず,この辺を誤解して考えていらっしゃる方は多そうに思います。このブログでも以前放射線に関する単位についての解説をしたことはあるのですが,そういえば放射壊変についての解説はしてなかったことに気がつきました。

ということで,今回はその辺のお話を簡単にしてみようかと思います。良く知ってる方は,間違っていないかどうかのチェックをよろしく御願いいたします(^^;

さて,この辺のお話についてどこから話そうか悩んだのですが,私自身の頭を整理するのもかねて,思い切ってものすごい根っこのところから書いてみることにしました。ということで,まず原子の構造から行きます。

原子の構造として思い浮かべるのは,たぶん原子核の周りを電子がぐるぐる回っている図だと思います(厳密なことを言うと,いろいろややこしいのですが今回の話にはあまり関係しないので,とりあえずその理解で十分です)。そして,原子核がプラスの電荷を持っていて,電子はマイナスの電荷を持っていること。また,基本的にはそのプラスとマイナスの電荷が釣り合っていることなどを思い出された方もいるかもしれませんし,「陽子」や「中性子」という単語を思い出した方もいるかもしれません。

放射線の話をする上で,主役になるのはこの「陽子」と「中性子」です。大ざっぱに言うと,陽子は原子核のプラス電荷の元であり,陽子と中性子が組み合わさって原子核を構成しています。陽子と中性子はほぼ同じ質量を持っていますが,陽子がプラス電荷を持っているのに対し,中性子は電荷を持っていないのが特徴です。ですので,普通は原子の中にある陽子の数とマイナス電荷を持っている電子の数は同じになり,陽子の数=原子番号となります。

いわゆる化学反応と呼ばれるもののほとんどは,原子同士の間で電子がやりとりされることによって起こるものです。ですから,その原子の持つ「化学的性質」はその元素が持つ陽子と電子の数=原子番号にだいたい依存します。そのため,同じ数の陽子を持つ原子の集団を「元素」と呼んでひとくくりにして扱うことが可能となります。

さて,ここでわざわざ「同じ数の陽子を持つ集団」と言いました。なぜそんなことを言ったかというと,ここに原子核を構成するもう一つの要素「中性子」が関わってくるからです。水素(厳密に言えば原子量1の1Hだけが中性子を持ちません。原子量が2の2H,原子量3の3Hは原子核に中性子を含みます)を除く元素はすべてその原子核に中性子を含んでいます。電子は非常に軽い粒子ですので,原子の質量はほぼ原子核の質量と考えてかまいません。また,陽子と中性子はほぼ同じ質量を持ちますので,各原子の質量は陽子一個分の重さを1として数えた「原子量」と呼ばれる数で比較することができます。

原子の原子量から原子番号を引いた数は,その原子の持つ中性子の数と同じです。たとえば,ヘリウム(He)4は原子番号が2で原子量が4ですから,陽子を2個と中性子を2個持っていることがわかります。同様にウラン(U)235は,原子番号92原子量235ですので,陽子を92個と中性子143個,ウラン(U)238は陽子92個と中性子146個を持っているわけです。もしお手元に周期表があれば(参考:一家に一枚周期表)見ていただくとよくわかると思うのですが,原子番号が大きくなればなるほど,原子番号と原子量の差が大きくなっていきます。これはつまり,原子番号の大きい原子になればなるほど,中性子をたくさん持ちやすいことを意味しています。ここもちょっと重要なところなので,ぜひ覚えておいてください。

さて,さらっと書きましたが,235Uと238Uのように原子番号が同じで原子量が違う(=中性子の数が違う)ものを同位体と呼びます。同位体は陽子の数が等しいので,その化学的性質はほぼ等しいと考えられます。しかし,大きく異なってくる性質があります。それが原子核の安定性です。そして,これこそが放射線というものが存在する大きな理由になります。

原子核の安定性は,含まれる陽子と中性子のバランスにより決定され,一般的にどちらも偶数の時が安定であると言われています。また魔法数(魔術数)と呼ばれる特に安定的な陽子と中性子の組み合わせも知られています。この辺の話を深めると本の一冊や二冊は簡単にかけてしまうほどの量になりますので,今はとりあえず陽子と中性子の数が違うと原子核の安定性が違うことだけ理解してください。他にも,そもそもどうしてそんなにいろいろな種類の同位体が存在しているのかについて疑問に思われる方もいらっしゃるかと思いますが,その辺の話もかなり長くなりますし,そもそもまだ完全に解決してる話とも言い難い部分が残っています。というわけで,とりあえず現実問題として天然中には数多くの同位体が存在しているのは事実であるということで,この辺は諦めて受け入れていただければと思います。

受け入れていただけましたでしょうか。

と,快く受け入れていただいたところではありますが,だいぶ長くなってきましたし,まだまだ先も長い(^^; ので,続きは別エントリにしたいと思います。なるべく早めに続きを書くつもりではありますが,わからない点や間違っている部分があったらご指摘いただければと思います。

…………,よく考えたら「半減期」どころか「放射壊変」にすらたどり着いてませんね(^^; もうしわけありません。次に期待して下さい。

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雑学 | 13:45:46 | Trackback(0) | Comments(3)
またコメントをいただきました
前回と同じ方からいただいたのですが,非常に興味深いのでまたエントリでお返事させていただきます。前回同様一部抜粋したり,順番を変えていたりしますがご容赦下さい。

「原爆跡地である広島や長崎の残留放射能や放射性物質、放射線や、六ヶ所村だけでなく日本各地の原発が汚染すると言う放射能や放射性物質、放射線レベルには何も問題はなく、それらの地域産の農作物や海産物を食べたり、泳いだりする時に体に浴びたり海水を飲む放射能レベルは全て人間が回復できるレベルであり、体はそれら放射能を排泄する機能をもち体内にとどまる事がないために、蓄積や堆積をする事はない。
自然放射線はそのまま通り過ぎていくために人体に蓄積する事はなく、カリウムなど人体が発する放射能は常にレベルが一定に保たれるため、新たに食べたり飲んだり体内に取り込んでもそのレベルは増えていく事はない。」という理解をさせて頂いたんですが、間違いはないですか。
害があれば別ですが、ないのであれば不安なく買い物が出来て食べたり飲んだり出来る事が何よりです。


おおむねそのご理解であっていますが,少しだけ。「自然放射線は……」の部分ですが,まずその手の人たちがよく使う「自然放射線」「人工放射線」の区別は意味がないと言うことをご理解下さい。放射能を持つ放射性物質が体内に蓄積されるかどうかは,純粋にその放射性物質の化学的な性質によるもので,その物質の由来が天然物なのか人工物なのか,さらにいえば放射能を持つか持たないかということとはほとんど関係ありません。生体内での代謝速度の高い物質であれば,放射能が強くても弱くてもすばやく代謝されて体外に排出されますし,体内にとどまりやすいものであれば,人工でも天然でも体内に蓄積されます。

また,文章中で「放射能」と「放射線」と「放射性物質」の意味が混同されている部分があるように思います。そこを意識して使い分けるとより理解が進むかと思います。人体への影響はそこに存在する「放射線」の強さによって判断されます。ですから,まず第一に意識しなければいけないのは放射線の強さであるシーベルトとかグレイといった単位で表される数値です。また,その放射線を発生する能力が「放射能」です。「放射能=その物質が一秒間に何回放射線を放出するか」はベクレルという単位で表されますが,たとえ放射能が大きな値を示しても,発生する放射線が弱ければ人体への影響は小さくて済みます。これが六ヶ所から排出されるトリチウムを気にする必要がない理由とも繋がる重要なポイントです。

と,なんとなく不安がらせるようなことを書いてしまいましたが,現時点までのところ,幸いなことに被爆地はもちろん原発周辺や六ヶ所近辺で観測される放射線レベルは元々存在している自然界の放射線レベルとほぼ同等の値を示しています。安心してこれらの産地で作られたものをお買い求め下さい。そのことが現地の経済を活性化させ,補助金に依存した体質を改善させる第一歩となります。

買い物など生活に不安がなければいいなという一般レベルでは、体内に入った放射能、放射線物質は速やかに体外に排泄出来るレベルであるかどうか、という不安が一番ですね。
半減期が長いものがあるというと、体から長時間毒を出し続けるのではないか、体内に入った時それは速やかに体の外に出るのか、長く留まっては怖い、それに毒性が強い半減期が短いものもあるとなると、それらを飲み込んだ時など速やかに体外に排泄できるのか、自然放射線は通り過ぎるが、それらは体内に入ったら放射線を出し続ける放射能を持ったものとして長く滞在するのか、実態はいかがなものか、という疑問が普通にわきます。


体内に存在する時間は先ほども書いたとおり,問題となっている放射性物質の化学的な性質に依存します。なので,一概にどうこう言うことはできませんが,その影響の強さは取り込んだ放射性物質の量に依存しますので,量的な部分をモニタリングしていれば大体の危険は予測できます。そして,現状ではその様な健康被害が予想されるほどの放射線が,青森県産品やその他のものから観測された事実は全くありません。

一例ですが、α線は食べ物に混ざって口に入っても、皮膚でも体が吸収する事はないが、肺から入ったらよくない、という下記サイトがあります。
http://www.med.nagasaki-u.ac.jp/renew/information/interna_heal_j/a7.html
ただ、これを読む限りでは、肺に入っても自然に排泄できるレベルであるという意味にも思えます



α線の特徴として,パワーは強いが透過性が弱いというものがあるため,皮膚などに付着しても体内に影響を与えることができません。しかし,プルトニウムなどのα線を出す放射性物質が塵などの形で肺の中に蓄積されると,直接内臓にダメージを与えるために危険性が大きく増大することは事実です。なので,α線を出す放射性物質の吸引には特に注意が必要だと思います。ですがが,もちろんダメージの大きさは吸引した放射性物質の量に依存します。たとえ吸引したとしても,微量であれば大きな問題はありません。

私は原発汚染と広島と長崎の残留レベルがいかに不安がないかを学ぶために聞いたのですが、一番まともに思う方の答えでも、α線でも皮膚に触れれば問題、肺に入ったら出す方法はない、との答えです。私は原発汚染と広島、長崎レベルで聞いたんですが、では、そのレベルで肺に入ったら終わりになるのですか。同じ理屈で、その汚染レベルで排泄(排出)出来ない種類もある、となるとこれは問題ありますね。


原爆による被爆を,通常稼働中の原発から与えられる影響と比較するのは全く意味がないので,明確に分けて考えるべきだと思います。原爆の爆発では環境中に大量の放射性物質がばらまかれます。当然被爆された方々の体内には大量の放射性物質が入り込み,様々な健康被害がもたらされました。しかし,現時点では被爆地においてもそのような放射性物質が残存していることはなく,疫学的な調査結果においても広島や長崎で有意に発ガン率が上昇しているなどという報告もありません。

それら地域産の農作物、海産物には体内にたまる様な毒はあるのかないのか、避けるべきなのかどうなのかという事を、専門家で、それに何もベクトルがない方に聞きたいなという思いだけです。
もちろん、害があるのにないと言って、とか、あるいはその逆を頼んだわけでもなく、致死量でなければ問題ないというわけにもいかない。
ただ、本当に害がないという事をここできっちり理解を及ばせようと考えています。


繰り返しになりますが,体内に放射性物質が蓄積されるかどうかはその「量」ではなく「種類」に依存します。蓄積した放射性物質が健康被害を与えるかどうかはその「種類と量」に依存します。そして,現時点で国内において健康被害が予測されるような「量」の放射性物質が食品から検出された事例はありません。

少なくとも検索上位には、原爆跡地や原発地域にはトリチウムやプルトニウムなど半減期が長いもの、短いものなど様々な放射能、放射性物質が農作物や海産物を汚染する、海や土地に堆積するという説明がほとんどであり、それらを素直に読むと、半減期が人間の寿命より長い毒が体内に入る、それが排泄もされない、そういうものが体に入る農作物や魚介類、あるいは海藻などを売っているという事になります。


このような説明は,ほとんどが「量的な関係を無視した誇張に満ちている」ものです。化学的・物理的な性質として,環境中や生体中に残存することは事実ですが,それがすなわち健康被害に直結することを意味しておりません。彼らの指摘が普遍的なものであるというのであれば,そもそもこの地球上に生命が暮らし続けることは不可能です。

半減期が何万年先の放射能、放射性物質は微量であれば、体は排泄する能力を発揮できるレベルであるのか、という事ですね。それも、速やかに、という事が問題ですよね。長く体内に滞在するのであれば、これまた恐怖です。


全ては放射性物質の種類と量の問題です。微弱なβ線しか出さない放射性物質がいくら体内に残存していようとそれほど大きな問題はありませんし,いくら強いα線を出す物質が体内に取り込まれようと,その量がごく少量であれば元々体内に存在しているカリウム40の影響に隠れてしまいます。

原爆跡地であれ原発汚染地域であれ放射能や放射線物質がそのレベルであれば天然に解毒というか治癒というか無害化する、それらの産地の農作物や海産物を食べても人体であれば排泄など何かそういう回復する働きがある、というのであれば何も不安はないです。


全くその通りだと思っていただいてかまいません。被爆地は年々浄化されていく一方ですし,原発についても(今後重大な事故が起きれば別ですが)現状同様の通常稼働が行われている限り,問題はありません。というか,炉心付近などはともかく周辺環境が「汚染」されている事実もありません。

量は微量でも長く体内に残ったまま時を経るという事であれば、これは甚大な恐怖ですよね。
ただ日本みたいな国がそんなものを許可する、、、のかな。


もちろん許可するわけはありませんし,そもそも長く体内に残っていたとしても微量であれば恐怖を感じる必要はありません。というか,繰り返しになりますが,我々の体は少なくない放射能をすでに持っています。プルトニウムなどが外部から取り込まれることをいくら阻止しようと,常に体内のカリウム40はα線β線を出し続けていますし,地殻や宇宙からは大量の放射線が飛んできています。それらの避けようのない放射線の方が圧倒的に大量で持続的なのです。毎食ご飯を3杯平らげている人が,毎食30粒くらいご飯を残してもダイエットには何の効果が得られないのと同じ事です。

http://www.naka.jaea.go.jp/forum/aomori_sympo/ichimasa.pdf
というサイトでは、マウスの実験で、本来半減期が12年強のトリチウムを水に混ぜて与えたところ、体外に排泄できた半減期は10日だったとありますが、10日って大変長いです。
ただこれは量にもよるのですかね。


これは生物的半減期というものであり,量ではなく放射性物質の種類に依存します。トリチウムの場合でも,水の形で摂取した場合と有機物の形で摂取した場合ではまったく違う生物半減期となります。

六ヶ所村などの地域の放射能はその実験と対比できるものではなく、比べる数値が違い、原発地域汚染はもっと微量であり、そこでとれた海産物を食べても速やかに排泄できるレベルになる、のかな。


おおむねその通りですが,そもそもこれらの地域で海産物が汚染されているという事実は確認されていません。

また、世界には他地域とは比べ物にならないほど天然に存在する放射線が多い地域がありますよね。そこでとれた農作物(アジアや南米の高地でとれたバナナなどなど)は、放射線が残っているか、他地域産のものより、食べたら何か影響があったりするものですか?


ここでも混同されていますが「放射線」は残りません。農作物自身の持つ放射能が高いかどうかについては,高い可能性があります。それは環境放射線の値が高い地域のほとんどは,地盤を構成している岩石が大きな放射能を持っている場合が多いので,そこで取れた農作物は放射性元素を他の地域より高い割合で取り込んでいる可能性があるからです。しかし,それらの農作物を一番食べているであろう現地の方々について疫学調査を行っても,他の地域との間に有意差があったという報告もありませんので,問題ないレベルであるのでしょう。

また、放射線の農業利用では放射線は一切残らないんですよね。
では、放射線をタイヤや紙、ティッシュなどに照射する工業利用も全く放射線は残らないのですか?


放射線は残りません。また,照射した物質に放射能が発生するようなレベルの放射線を照射したら,その製品が使い物にならなくなる可能性の方が大きいです。

こちらを探せた日より前、検索でたまたま、第一次とか第二次とか大戦?などの戦争に使ったマスタードガスとかいう毒ガスは、キャベツから作ったとあったんです。
キャベツを一日にかなり食べている家族がいるんですが、キャベツって何か害があるんですか。



マスタードガスとキャベツの関係を調べることができませんでしたので,全くの推測ですが原料にしていたとしても工業的にキャベツから成分を抽出して取り出すなどということは考えられませんので,「化学合成反応を行うことでマスタードガスにもなりうる成分がキャベツにも含まれている。」程度の話だと思います。もし,仮に成分そのものがキャベツに含まれているという話であったとしても,普通の人間が食べられる量の範囲内で問題があるとは思えません。どちらかというと,害が出る前に別な理由(栄養失調とか食べ過ぎによる胃腸不良とか)で健康被害が出る可能性の方が大きいと思います。

テーマ:環境・資源・エネルギー - ジャンル:政治・経済

気になる化学リスク | 20:23:58 | Trackback(0) | Comments(3)
コメントをいただきましたので
久々に復帰してみようかと思います。

かなりの長文でいただきましたので,一部抜粋させていただきました。また,話の流れの関係で,一部順番も変更させていただいております。どうかご了承下さい。

私は、公害が出ないエネルギーや燃料が開発できればいいなと普通に考える一般人であり、できるだけ健康には気を使っています。
原子力発電に賛成でも反対でもありません。

放射能や放射線の害とはいかに、と検索を続けて一年経ちます。
キーワードがその類であれば、だいたい、食品の放射線照射食品、突然変異を狙った育種食品、原子力発電所、がどんどん出てきます。
イギリスなど外国の原発や再処理工場地域の事六ヶ所村、青森県他、東北の農産物や海産物汚染、佐賀県の原発の海を泳いだらどうだとか、そこの魚介類や海藻を食べたらどうだとかいうものもあります。

私は東京人ですが、東北の海や三陸、福岡や佐賀などの湾や玄海灘でとれたもの、あるいはホームページによっては過去にアメリカが原子爆弾落とした長崎や広島、核実験を行なった地域には残留放射能がある、というものも存在するとあります。食べる物がありませんね。
いったい事実はどこにあるのかと言った疑問があります。


そのようなページを読んでいると,非常に不安に感じられるのは当然だと思います。私には何の意味があってこのように無駄な不安感をあおり立てているのか全く理解できません。

http://blog.livedoor.jp/nymy_4671/archives/400978.html
では、ぷろどおむ様がリンク先に書いている事に似ています。
これによると、プルトニウムの半減期が2万年4千年以上であるとか。
こういうのを一般人が見ると、ただ、もう脅かされている気持ちですね。
そんな先にも消えない猛毒が、微量であっても野に山に海にあるのですか。それなら、例え量は少なくても2万年以上も消えてなくならない。体内に入ったらそれこそ大変だ、と思います。
どう理解すべきなんですかね。全くわかりません。


まずこの手のものを考える時には,量的な関係をきちんと把握することが肝心です。「どんなに微量でも」などと言う人が良くいますが,そんなことを言い出したら,水も塩も摂取することはできなくなります。「水や塩とは,人間は長い間付き合い続けて来し体の中にも入っている」とも言いますが,放射線も生命が発生した時から付き合い続けている関係ですし,人間の体も必ず放射能を持ち,常に放射線を出し続けているのが現実です。そこから目を背けてはいけません。

また,確かにプルトニウム239はα線を出し続ける核種ですが,半減期が2万4千年と非常に長いと言うことは,非常にゆっくりとしたペースで崩壊(=α線を放出)していると言うことでもあります。地球上の生命は発生した時点から常に太陽や地殻内部から発生する放射線にさらされ続けてきましたから,一定レベル以下の放射線であればその影響から回復する手段を持っています。よく「放射線によりDNAや染色体が傷つけられる」とその脅威を喧伝する人たちがいますが,体内ではそれ以上のペースでいわゆる活性酸素やその他のものの影響を受けてDNAが破損しています。でも,特に深刻な問題が起きることなく,我々は生き続け子孫を残し続けてきました。つまりはそういうことです。

あと,さらに重要なことですが,六ヶ所から排出される可能性のあるレベルのプルトニウムが人体や周辺環境に悪影響を与えるのであれば,これまで地球上で行われてきた核実験などですでに全人類が滅びていてもおかしくありません。量的な関係を理解するというのは,そういうことです。

放射線照射食品、国内ではジャガイモの芽止めだけ許可があるみたいですが、放射線は残らないそうですね。
ただ、そばや大麦、梨などに放射線をあてて突然変異を狙っている種類もあるとか。これ、ケミカルアレルギーがあるから、そばアレルギー等がないのにわざわざ避けています。
下記
http://www.kcn.ne.jp/~azuma/news/Aug1999/990811.html
によると、「1965年以来市販ビールの多くは、X線照射によって突然変異を生じた大麦を使用している。そして、血液中のコレステロール濃度を低下させるひまわりの油、新種のトマト、ジャガイモ、唐辛子、米などの新種の作物が、放射線照射や化学物質によって生じた突然変異によって開発された。」とあります。これが本当なら、麦茶も大麦が原料ですよね。麦茶まで出回っているものには疑いがあり、飲まなくなっています。


まず最初に一点だけ。放射線が残る(放射能が残る??生じる???)ほどの線量を食品に浴びせていたら,とてもコストに見合いません。実験に使う目的で,ある程度の時間放射線を出し続けてくれるような放射性核種を人工的に創り出すにも,原子炉などから発生する高いエネルギーを持った放射線が必要です。それにそれだけ苦労しても特定の元素の中の,特定の核種しか創り出すことができませんし,得られる量も極めて微量で非常に高価です。放射性核種というものを人工的に創り出すのは非常に難しいことなのです。そんなに簡単に放射性核種が創り出せるのであれば,人類がエネルギー問題から解放させる日はそう遠くないでしょう。

また,放射線照射などにより突然変異を誘発した品種が気になるようですが,よく考えてみればこれは自然界で起きている突然変異や育種と何も変わっていないことがわかります。自然界で起きている突然変異には,当然自然放射線の影響を無視することはできません。また,これまで長年行われてきた人工交配による品種改良も,通常であればきわめて確率が低かった品種同士の交配を行い,劣性遺伝のように発現する確率が低い表現型(見た目,味,その他)を持つ品種を無理矢理維持して育てているわけです。これは,言い換えてみれば非常に効率の悪いやり方で遺伝子組換えを行っていると言うことに他なりません。結局のところ,目的のものを得るための効率が違うだけで,中で起きていることに本質的な違いはないのです。

客室乗務員は大変ですね。でも、問題になっていないのであれば、大丈夫ですよね。何か基準があるんですかね。


今のところ基準がないことが一番の問題です。実際疫学的な評価でも地上勤務の方に比べてリスクが上がっていることが指摘されていますので,本来は電磁波だとか六ヶ所何かよりも,もっと問題視されるべき問題だと認識しています。

東京で売っている魚介類や海藻などの海産物は、福岡や佐賀、長崎などの玄界灘産や東北や三陸産ものが多いですよね。食べない方がいいんですかね。それこそ長崎なんかアメリカが原爆落としてるしなぁ。
だけど害があるものを売っているかな、、、。でも六ヶ所村の半減期が何万年も先のプルトニウムなんかは、怖いですね。微量でも、微量ながら残っちゃうんですかねぇ。


この辺については,すべて杞憂であると断言させていただきます。詳しい説明は,私のブログの中でもさせていただいております。ぜひもう一度目を通していただければと思います。理解しにくい点があれば,ご質問下さい。できる範囲で回答させていただきたいと思います。

これから、色々学びたいと思っています。
ご教導いただければ、ありがたく思います。


知らないことに対してアレルギー的な反応しかしない方は残念ながら非常に多くいらっしゃいます。それにも関わらず,知らないことを積極的に学ぼうとされる態度には非常に感銘を受けます。私でお力になれることがありましたら,いつでもどうぞ。

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気になる化学リスク | 11:57:35 | Trackback(0) | Comments(7)

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