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ぷろどおむ

Author:ぷろどおむ
元サッカー少年。今はしがない化学屋です。

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誤解なのかミスリードなのか その3~セラフィールドの反省は生かされているのか

だいぶ間が開いてしまいましたが,その間も検索などでたくさんの方にきていただいているようでありがとうございます。また,ブログなどでも紹介してくださったり,拍手コメントなどもいくつかいただいたりと,非常にありがたいことだと感謝しております。 ということで,とりあえず続けてきた反再処理工場のデマシリーズも,今日でとりあえず一区切りです。


 ミスリード?その3:イギリスのセラフィールド再処理工場周辺では、全英平均の10倍以上の小児白血病が発生しています。(推進派は、「そんな事実はない」と宣伝していますが、以下の詳細の終わりの方に書いてあるように、イギリス政府は「10倍以上の白血病が発生している事実は認めているが、再処理工場との因果関係は認めていない」だけです)(引用元) 


セラフィールドにおいては,確かに様々な問題が生じているようです。今のところ,疫学的に再処理工場との因果関係を明らかにするほどのデータが集まっていないというのが現状のようですが,一日も早く明らかにしていただきたいところです。 しかし,セラフィールドで起こったことが六ヶ所でも起こるのでしょうか?セラフィールドの反省は六ヶ所では生かされていないのでしょうか?セラフィールド再処理工場の影響と,小児白血病の関係が明らかになっていないのをいいことに,原燃が強行突破をはかろうとしているのでしょうか?


 もちろんそんなことはありません。


そして,何より重要なこととして,セラフィールド再処理工場の海洋放出に関する1970年代の放出状況は,当時の放出基準は満足していたものの,現在の放出基準と比べて数十倍~百倍程度高いものであったことを忘れてはいけません。その後,イギリスでも80年代に入り,放射性物質の除去技術の開発が進められ,海洋への放出量の低減化が図られており,全α線核種の放出量だけでも現在はピーク時の数百分の1になっています。 当然六ヶ所の放出基準は,現在の最高水準の除去技術を元に設定されていますので,推定年間放出量は現在の海外再処理工場の放出基準と同レベルとなっています。


また,よう素の大部分を海洋放出している英仏の再処理施設の方式に対し,六ヶ所では処理工程での溶液中のよう素を気体中へ追い出したあと,よう素フィルター(銀系吸着剤)でほとんどを除去することで,放射性よう素の海洋への放出量は,英仏の再処理工場の1 /10以下となっています。さらにその他核種(αおよびβ・γ)についても,主に化学処理(凝集沈殿等)してから,ろ過後海洋放出している英仏の再処理施設と比較して,六ケ所工場では蒸発缶で蒸発濃縮し,その凝縮水を海洋放出するという方式をとっているために,これらについても海洋への放出量が,英仏の再処理施設と比較して1 /100以下となっています。


このように,原燃側としてもセラフィールド再処理工場などの既存施設における基準や反省などを考慮して,最大限の努力をしようとしているわけです。それにもかかわらず,そのようなことには一切ふれずに,「小児白血病の発生率が10倍」などとセンセーショナルな点だけを紹介するというのは,あまりに情報提供のやり方が偏っているとしか思えません。


当然,このような対策が十分に取られているかどうかを監視しなければいけませんが,あたかも無対策であるもしくは,対策など取りようがないというような印象を与えた文章を公開するのは,知っててやってるとしたらとんでもなく卑怯な行為といわざるを得ませんし,知らなかったとしたら勉強不足の誹りは免れないでしょう。


何度も書きますが,今の原子力行政や再処理工場の意義について異論を唱えるのは大切ですし,必要なことだと思います。しかし,その目的を達成するためだからと言って,嘘やミスリーディングを誘発するようなまねをすることは,無用な風評被害を巻き起こし,こちらの信用を失墜させるだけで何のメリットもありません。ぜひ,このようなやり方は考え直していただきたいものです。


次回は,原発に対する私の基本的な考えなんかをまとめてみようかと思います。



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テーマ:科学・医療・心理 - ジャンル:学問・文化・芸術

気になる化学リスク | 15:48:03 | Trackback(0) | Comments(3)

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