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ぷろどおむ

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元サッカー少年。今はしがない化学屋です。

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賞味期限切れの油を使った石鹸

ご質問をいただきましたので,予定を変更して久々に手作り石鹸系の話題を


>去年くらいに買い貯めた オイルが、賞味期限切れのがあるのが
>分かりました。これは、未使用の為 酸化臭もしませんが
>こういったものを石鹸に使うことは 科学的にいかがなんでしょうか。


あっさり回答すると,「賞味期限切れくらいでは問題ない」と思います。


一般的に「賞味期限」は「食品として利用した際にその風味まで保証する期間」,「消費期限」は「利用した際に健康に問題がないことを保証する期間」と考えればよいと思います。特に未開封で酸化臭もないということですので,石鹸の材料として使うのであれば問題ないと思います。


と,これだけだとちょっとあれなので,油の酸化とかについてもう少しだけ。


油が酸化するシステムにはいくつかありますが,通常家庭で利用している食用油の場合,そのほとんどは空気中の酸素と結びつくことによって起きたものです。この反応は油の中にある「不飽和結合」と呼ばれる部分と,空気中の酸素が反応することでおこります。なので,油の中にどのくらい不飽和結合があるかを表す「不飽和度が高い油」が酸化しやすいと言うことになります。


不飽和脂肪酸の代表的なものはオレイン酸とリノール酸です。特にリノール酸の方が不飽和度が高いので,リノール酸含有量が高い油は酸化に対する注意が必要だと思います。また,不飽和度の高い代表的な油としては,大豆油,コーン油,綿実油,サフラワ油などがあり,逆に不飽和度の低い油としてはパーム油やパーム核油,カカオ油やヤシ油,それにラードなどです。この辺は,石鹸作りに関わらず,覚えておいた方がよい豆知識かもしれません。


では,不飽和脂肪酸をなるべく含まない石鹸がよい石鹸なのかというとそう言うわけではありません。


飽和脂肪酸は,融点が高く固体になりやすい性質を持っています。つまりそれはどういうことかというと,脂肪酸に含まれる炭素の数が増えると,急速に水に溶けにくくなります。しかし,炭素の数は石鹸の洗浄力の源(特に対油汚れ)の一つですので,これが少ないと洗浄力があまり期待できなくなります。結果として,十分な洗浄力が期待できる炭素鎖の大きい飽和脂肪酸ナトリウム(石鹸)は,酸化には強いですが,固く,低い温度の水に溶けにくく使いにくい石鹸になってしまいます。


これに対し,不飽和脂肪酸ナトリウムは同じ炭素数の飽和脂肪酸ナトリウムと比べると水に溶けやすく,柔らかい性質を持っています。そのため,十分な洗浄力と使いやすさの両方を得るためには,ある程度不飽和脂肪酸を含んでいることが重要です。なので,一般的に使われている石鹸の材料となる油はすべて不飽和脂肪酸を含んでいます。
#まぁ,それ以前に飽和脂肪酸だけを含む油脂は常温で固体なんですけどね(^^;


ちなみに化学的に泡立ちや使い勝手(水への溶けやすさ,耐硬水性),洗浄力などのバランスが非常に高い脂肪酸にオレイン酸というものがあります。そして,これを非常に多く含む油の代表格が実は「オリーブ油」なんです。なので,オリーブ油から作った手作り石鹸は非常に良質のものになるんですね。


こんなもんで回答になりましたでしょうか?説明の足りない部分などがあれば,どうぞお気軽に。ちなみに一緒にいただいた「廃油を使って作った石鹸はお肌にいいのかどうか」については,まだ調査中ですので,もう少々お待ちください。


 



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手作り石鹸 | 14:01:20 | Trackback(0) | Comments(3)
化学物質によりガンは増えている?

化学物質による健康被害を訴えるサイトの中には,ガンによる死亡者数が年々増えていることを根拠に,化学物質が広範囲で利用されていることに警鐘を鳴らしているところが数多くありますが,実際のところどのような傾向があるのでしょうか。最新の厚生労働省提供の人口動態調査を元に見てみましょう。


現在公開されている最新の統計データは平成17年度のものですが,それによると確かに日本における死因の第一位はガン(悪性新生物)です。


http://wwwdbtk.mhlw.go.jp/toukei/data/010/2005/toukeihyou/0005652/t0125417/MC110000_001.html


1980年にそれまで首位を守ってきた脳血管疾患をかわし,見事に一位の座に躍り出ると,やや微減傾向にある脳血管疾患や心疾患を尻目に,どんどん人口10万にあたりの死亡率を上昇させ,2005年の統計データでは二位の心疾患に対しほぼダブルスコアの大差をつけております。


ところが,こちらの年齢調整死亡率のデータを見てみると,


http://wwwdbtk.mhlw.go.jp/toukei/data/010/2005/toukeihyou/0005626/t0124439/MC140000_001.html


女性の場合は1950年以降明らかな減少傾向を示しており,男性の場合も1992年をピークに減少傾向に移ってきています。これはいったいどういうことなのでしょうか。


年齢調整死亡率(訂正死亡率)というのはどういうものかというと,ある年(このデータの場合は昭和60年が基本になっています)の人口(10万人)を構成している年齢層に、比較する年の人口(10万人)を補正して何人が(たとえば今回の場合はガンで)死亡したかを表わしたものです。


つまり,これはどういうことかというと,


年齢構成が変化し以前よりも高齢者の割合が増えたことにより見かけのガン死亡率は増加しているように見えるが,実際過去の年齢構成が現在と同じような年齢構成だったとすれば,特別にガンによる死亡率が増加しているわけではない


というように読み取ることができます。


(参考:http://www2.ttcn.ne.jp/~honkawa/1157.html 昭和60(1985)年には10%程度であった65歳以上の人口比率が,2005年には20%を超えている)


確かに男性のガンによる年齢調整死亡率は環境汚染や公害が大きな社会問題となった高度成長期に増加をしているように見えますが,もしこれが化学物質などの汚染によるものが主たる原因であるとすれば,女性も同様に増加していなければ話のつじつまが合いません。


さらに言うと,こちらの全死因をトータルした年齢調整死亡率のデータを見ると,


http://wwwdbtk.mhlw.go.jp/toukei/data/010/2005/toukeihyou/0005626/t0124428/MC020000_001.html


ものすごい勢いで死亡率が減少していることがわかります。つまり,これは「日本はそう簡単に死なない社会になっている」ということです。まぁ,こんなのはもちろん平均寿命が年々延びていることを考えればすぐに想像できることなんですが,不思議なことに時々こういう簡単なことを忘れた議論が行われていることがありますので,注意が必要です。


さらに先ほどの死因別年齢調整死亡率のデータを見ると,戦後まもなくの頃は猛威をふるっていた結核はもちろんのこと,脳血管疾患や心疾患などの年齢調整死亡率はすごい勢いで減ってることがわかります。これらのことから導き出される結論は一つです。要するに,


今の日本ではガン以外ではそう簡単に死なない


ということなんです。


ガンの原因については,現在も様々な研究や議論がされていますが,高齢になればなるほどそのリスクが高まることは広く認められています。そのため,高齢者社会となっている現代日本において,ガンの克服は大きな課題の一つです。しかし,それと化学物質が広く用いられているから癌患者が増加しているんだ,などと主張することは全くの別問題であり,統計データから見てもそのような傾向を主張するには,今の日本ではちょっと無理があることがよくわかります。


しかし,化学物質の中には発ガン性が疑われている化合物が数多くあるのも事実です。幸いにして,今の日本ではそれほど大きな危惧を抱かなくても大丈夫そうなのですが,どうもそうは言ってはいられそうにない国が近くにあったりします。


次回はその辺について少しお話しさせていただこうかと思います。



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気になる化学リスク | 20:25:30 | Trackback(0) | Comments(2)
続々・ラウリル硫酸ナトリウムはどのくらい怖いのか

いただいたコメントにコメントをつけていたら長くなったので,別エントリに。


>発がん性って、実験をし何年もしないと 結果は出ないんですよねぇ。それを考えると なんだか 用心してしまうんですよね。。。


確かにそういう試験もありますので,医薬品や農薬などの使用が認可されるためには,数年間かけて実験を繰り返し,ある一定レベル以上の安全性を確認することが義務づけられています。


しかし,思い出していただきたいことが一つあります。
ラウリル硫酸ナトリウムは工業的に用いられるようになってから,すでに数十年が経過したもっとも著名な界面活性剤です。それはつまりどういうことかというと,新しい実験法や測定基準が考案されたときには,まず最初にラウリル硫酸ナトリウムで実験が行われていると言うことに他なりません。それにも関わらず,大きな問題を示すデータが出てくることもなく広く利用され続けているのはなぜでしょうか。


やはり,それは大企業の陰謀なのでしょうか。


さて突然ですが,この問題を考えるために一つ質問です。長年栄華を誇り続ける大企業と中小企業の間でもっとも大きな差はなんでしょうか。


様々なものが考えられると思いますが,その代表格としては基礎研究にかけられる時間や費用の差があります。確かに,長年の努力によって新しい技術を開発する中小企業やそれを元に起業したベンチャー企業の話は時々ニュースになっています。しかし,そういう類い希なる努力の成果も確かに存在しますが,客観的に評価した場合大企業と中小企業の間における研究開発力の差は,比較するのがばかばかしくなるほど大きなものです。


そんな事情を知っている,あるいは思い出すと,よく大企業による陰謀論を唱える方々が「これまで自分たちが生産してきたものや技術がダメになることを大企業は恐れている」と仰っていることが,とても変な話だということがわかってきます。


その会社だけが独占的に生産している何かならいざ知らず,ラウリル硫酸ナトリウムみたいに誰もが普通に使ってきたものを使い続けることに,会社として何か旨みがあるでしょうか。逆に誰もが使えるラウリル硫酸ナトリウムに問題点があることを明らかにし,返す刀でその問題を克服した独自製品をがちがちに特許を固めて生産し,販売すれば一挙に市場を独占することができませんか?


古くて誰もが使える技術に大企業が執拗に固執する理由は,実はあんまりありません。というか,そう言う企業はだいたい衰退していきます。一瞬大きくなれたとしても,すぐに消えていきます。特に製品の新陳代謝の激しい情報機器や家電製品などの栄枯盛衰を考えてみてください。そういえば……,ということが思い当たりませんか?


大企業であればあるほど,革新的な技術を追い求め続けなければその巨大な体格を維持することはできません。実は,昔ながらの技術や製品にこだわり続け,丁寧に丁寧に仕事を成し遂げることで長寿企業となりうるのは中小企業の方が多いのです。彼らは革新的な技術開発競争や値段競争では大企業に太刀打ちできませんが,昔ながらの技術を守り顧客との間の信頼関係を維持しながら,ニッチなニーズにも対応して仕事をこなしていくことでいわゆる「身の丈にあった」会社規模を維持することができます。そして,それは巨大になりすぎた大企業にはなかなか難しいことです。


大企業は大企業であるが故に,常に革新と成長を義務づけられています。まさに泳ぎ続け食べ続けることであの巨体を維持することができるマグロや鯨みたいなものです。停滞していては死んでしまうような大企業が,誰もが使える古い技術や製品にこだわるなどという発想は極めてナンセンスなのです。


陰謀論は,なんかドキドキするものがあって非常に魅力的に見えることが多いです。でも,もしかするとそういう噂を流すこと,信じさせることの方が,実は何かの陰謀なのかもしれませんよ?


………,なんかいただいたコメントとはほとんど関係ない話になってしまった気がしますが(^^; とりあえず,次回はちょっと今回の話とつながりをつけて(^^; ガンの話をしてみましょう。


癌による死亡者数が年々増えているという統計資料はどういう意味を我々に教えてくれているのか。核実験により世界中にばらまかれた放射性物質の影響なのか,それとも戦後急速に広がった化学物質による汚染が原因なのか。そのあたりについて,お話しさせていただこうかと思います。



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気になる化学リスク | 10:51:01 | Trackback(0) | Comments(1)
続・ラウリル硫酸ナトリウムはどのくらい怖いのか

続きです。


ネットをぐるぐる回ってラウリル硫酸ナトリウム(SLSと略します。)の話を調べていると,いろんなところで「アメリカン大学毒物学部が出したレポートによると」という表記が見られますが,これについての話が英語版のWikipediaに掲載されています。


http://en.wikipedia.org/wiki/Sodium_laureth_sulfate


該当箇所をざっと訳してみると,


「インターネット上でSLSあるいはSLESが発ガン性を持つという噂が流れている。これはチェーンメールにより広がった噂でJournal of the American College of Toxicologyに投稿されたものであるとされている。しかし,これにが事実だとする証拠はなく,CTFA(国際化粧品機構)やアメリカ癌学会は『都市伝説レベル』の噂に過ぎないとしている」


また,このサイト(http://www.healthyhome.net/1harmfulfacts.htm)で紹介されている研究の一つであるKeith Green博士はアメリカ癌学会のサイトに,このようなコメントを出しております。
http://www.cancer.org/docroot/NWS/content/NWS_2_1x_Bubble_Bubble_Toil_and_Trouble.asp


「確かに兎の目にSLS(ラウリル硫酸ナトリウム)を滴下し,その後心臓や脳,肝臓から検出されたのは事実である。しかし,第一に,検出されたのは極めて微量であった。第二に(SLS溶液は滴下後)96時間たってから洗い流された(時のデータでしかない)。」


これはどういう意味かと言いますと,つまり目の中にSLSを滴下して96時間もそのまま放置するなんて言う現実的ではない条件で行った実験をして,やっと極微量のSLSを検出することができたと言うことです。


また,ここに書かれている「SLS & SLES can damage the immune system; causing separation of skin layers and inflammation of skin. -Journal of the American College of Toxicology; Vol. 2, No. 7, 1983」がそもそもの元ネタなのかと思ったのですが,こちらは「アメリカ毒物単科大学」とでも訳すのが適当かと思われる大学の紀要のようで,残念ながら元の文章を読むこともできませんでした。
#現在は「International Journal of Toxicology」に改称しているようですが。


その他のものも当たってみたのですが,試験管内の細胞に直接溶液をたらしたときの影響を見ているなど,人体に対する影響を考えるには不適当な研究しか見あたりません。


受精卵が死亡するなどという話もあるようですが,受精卵のように細胞膜が安定していない状態の細胞に界面活性剤などを添加すれば壊れるのも当たり前で,これはSLSに限らず石鹸でも同じ現象が起こるでしょう。


その他,皮膚や眼球への刺激に関する研究もあるようですが,正直この辺はアルカリ性という性質を持っている以上いかんともしがたい部分がありますし,こういう部分に関しては熟成が不十分な手作り石鹸の方が危険の度合いは大きいです。


ちなみにご存じとは思いますが,熟成が不十分=鹸化反応が十分進んでいない=残留苛性ソーダが存在していると言う状態です。工業製品であれば,ほぼ完全に反応が終わるまで攪拌し続けることで迅速に鹸化反応を終わらせていますので,アルカリ成分が残存している可能性はほとんどありません。しかし一般的な手作り石鹸レシピでは,ある程度保温した状態で放置して自然に反応が終了するのを待っているだけです。熟成が不十分な石鹸を使ったときに「肌がぴりぴりする」というのは,残存している苛性ソーダなどのアルカリが原因です。お気をつけください。


というわけで,私自身は今のところSLSが石鹸以上に危険なものであるという証拠を見いだせておりません。


前に書いたBSEがらみの話や,SLSの話や携帯の電磁波なんかでもよく出てくるのですが,なぜかこういうものに反対している方々の中には,必ず「大企業と政府の陰謀で真実が覆い隠されている」と主張される方がいらっしゃいます。


世の中陰謀論で考えると,よくわからないことがすっきり説明できるような気がしたり,誰も知らない真実にふれたような気がしてわくわくしてしまったりしますが,そんな時には「少数の人たちの陰謀でどうにかなるほど単純な作りをしていない」というとても分かり切った事実をもう一度思い出してみるのも良いのではないでしょうか。


世の中には賢い人たちが山のように隠れていますので,私たちみたいな素人が思いつくような疑問とか問題点なんて,実はとっくの昔に解決されていることがほとんどだったりします。


せっかくの情報社会,単純に情報を鵜呑みにするのではなく,ちゃんと自分の力で調べてみることをお勧めします。



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気になる化学リスク | 18:20:50 | Trackback(0) | Comments(8)
ラウリル硫酸ナトリウムはどのくらい怖いのか

ラウリル硫酸ナトリウムと言えば,合成界面活性剤の代表格でいわゆる「石鹸派」と呼ばれる方々からは蛇蝎のごとく忌み嫌われている存在であります。


その筋の有名なサイトには,こちら(http://www.ne.jp/asahi/dz/dai/gouseikaimen.htm)などがありまして,非常にショッキングな内容が書き連ねられています。


でも,いろいろと突っ込みどころがたくさんあります。


>合成界面活性剤は、非常に有害であるにもかかわらず、前述のような日用品のほとんどに使用されています。その理由としては、(1) 製品の原価を極めて安くすることができること、および (2) たとえ有害でも現行の国の基準では合法的に製品化できることなどが挙げられます。

合成界面活性剤が広く使用されている第一の理由は,コスト面よりも使用する水の性質を選ばない点にあります。いわゆる純石鹸は硬水中ではとてもじゃないですが使えません。温泉に備え付けられているのが,石鹸ではなくてボディシャンプーの場合が多いのにはちゃんとした理由があるわけです。


>合成界面活性剤には「たんぱく変性作用」と呼ばれる性質があり、

合成界面活性剤に限らず,たんぱく変成作用は石鹸をはじめとするイオン性界面活性剤一般の性質です。この辺を気にするのであれば,石鹸ではなく非イオン性界面活性剤を利用した洗剤を使う必要があります。また,皮脂を取り除いた状態での皮膚そのものへのダメージはラウリル硫酸ナトリウム由来の洗剤よりも,アルカリ性の液性を持つ石鹸の方が純粋に大きいです。これがカバーされているのは,石鹸そのものの皮脂除去能力(=洗浄能力)が低いことと,鹸化反応の副生成物であるグリセリンや残存する油分のおかげです。


>口と鼻以外から取り込んだ物質に対しては、吸収すべき有効な栄養素と、肝臓などで分解すべき有害な物質とを “仕分け” する機能が働かないためといわれています。

これはちょっとひどいです。口から取り込もうが何しようが,体内を移動する際には結局血液を経由する必要があります。口から入った食物の栄養や毒素を処理するのだって血液経由です。確かに腸管から吸収された様々な物質はほぼダイレクトに肝臓に運ばれるというメリットはありますが,要するに仕分けしてるのは肝臓です。もちろん,いったん血液に取り込まれればいずれ同様に処理されます。ちなみに体内に取り込まれたラウリル硫酸ナトリウムなどは,迅速に生分解され尿中に排出されることが実験的に確かめられていますので,その辺の心配は無用の様です。


また「0.53 %が血液中に侵入するという結果が出ています。」と書かれていますが,これを多いと見るか少ないと見るかでしょうか。仮に50%の界面活性剤が含まれているものを使ったとして,一回に使用するのは多くても5g程度ですか?そうすると,一回洗って吸収されるのは13mg…,思っていたより多いですね。個人的にはどっちにしろ代謝されますし,急性毒性を示すにはほど遠い数字なので気にすることはないと思っていますが,この辺は気分の問題になるのでしょうか?

ラットの写真はかなりショッキングでありますが,石鹸にしろ合成界面活性剤にしろ皮膚刺激性は避けられるわけはないので,なぜここまで差が出るのか疑問です。公平に判断するにはそれぞれどの程度の濃度で塗布したのかという情報が欲しいところです。ただ,洗剤を用いた場合には,なるべくきちんと洗い流した方がよいのは確かだと思います。

合成界面活性剤は,一般的に石鹸よりも洗浄力が高いのでごく少量で十分な洗浄効果が期待できますが,「なるべく少量で短時間のうちに洗い,よくすすぐ」というのは石鹸をはじめとする洗浄剤一般を用いるときには必須の心構えであると思います。

あと一点だけ
>合成界面活性剤との大きな違いは、石鹸はお肌に残っても皮膚がもともと持っている酸度により界面活性力が分解されるという点です。

実はこれがよくわかりません。確かに石鹸は合成界面活性剤よりも迅速に界面活性力が落ちますが,それは界面活性を持つために重要なミセルというものを形成する能力が低いためです。酸性度だけで石鹸の界面活性力を落とすためには,pH3~4以下という食酢並みの酸性度が必要になります。もちろん石鹸シャンプーなどとセットで使われる酸性リンスなんかを使えばこういう効果が得られるのですが,仮に何らかの作用によって界面活性力が落ちる=ミセルが形成されにくくなる=水に溶けにくくなるだけなので,逆に水だけでは洗い流されにくくなるんですよね。

ちなみにラウリル硫酸ナトリウムの場合は末端についているのが硫酸(石鹸の場合はカルボン酸)なので,周りのpHとはほぼ無関係に石鹸よりも低い濃度まで水に溶けやすい状態を保てます。というわけで,残存しにくいのはどちらかというとラウリル硫酸ナトリウムのような気がしていますが,どうなんでしょう?


「石鹸のアルカリが 肌に残存しても、肌から酸性物質が分泌され時間と共に中和され安全化する」という説明がされている本も存在するようなんですが,「石鹸の持つアルカリ」っていったい何?ラウリル硫酸ナトリウムが示すアルカリ性と何が違うの?もしかして「きれいなアルカリ」と「汚いアルカリ」が存在すると思っている?あるいは,「アルカリ性」の定義が化学用語で言うところの「アルカリ性」とは異なっているのでしょうか??と謎は深まるばかりです。



(追記:090204 ラウリル硫酸ナトリウム水溶液の液性はほぼ中性であるpH 6~7程度です。アルカリ水溶液になると言う記述は私の事実誤認でしたので,訂正いたしました。)

と,とりあえずだいぶ長くなりましたので,今日はこの辺で。


ラウリル硫酸ナトリウムの話はもう少し続けます。



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気になる化学リスク | 17:49:04 | Trackback(1) | Comments(2)
BSEはどのくらい怖いのか

当初の予定ではラウリル硫酸ナトリウムの話をしようかと思っていたんですが,リスクマネジメントにより近い話と言うことで,BSEがらみの話を先にすることにしました。


さて,もはやあまり話題に上ることもなくなってきたBSEの話題ですが,BSE発祥の地イギリスにおいてBSE牛を食べたことが原因で変異性クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)を発症して亡くなった方ってどのくらいいるかご存じですか?


参考までに現在まで日本では32頭しか確認されていないBSE牛が,イギリスでは184,508頭(参考:http://niah.naro.affrc.go.jp/disease/bse/count.html)も確認されています。さすがに発祥の地だけあって,イギリスは問答無用のぶっちぎりで世界No.1のBSE大国です。しかも,イギリスでは伝統的に危険部位の代表格である牛の脳みそを食べる食文化がありましたので,BSE牛の脳なども当然のように食べられていたわけですから,BSEが猛威をふるい始めた前後における危険度は今の日本とはとても比較になりません。


という事実をふまえた上で,再度質問です。


さて,イギリスでは何人の方がvCJDで亡くなっているでしょうか。数千人?数万人?数十万人????


正解は


161人(2007年6月4日現在)です。


驚きました?そう,実はものすごく少ないんです(参考:http://niah.naro.affrc.go.jp/disease/bse/cjd_uk2.html)。なぜかマスコミではこういう情報は全く報道されないんですね。とても不思議です。なぜなんでしょう?こうやって公式の統計記録までwebで公開(しかも毎月データが更新されてます)されているんですけどね。


同時期に散発的CJD,つまりこれまでも知られてきた原因不明のクロイツフェルト・ヤコブ病で亡くなった方の数が705人(1995~2007.6月)いらっしゃること,2006年のデータだけを見ると散発的CJDで亡くなった方が60人に対し,vCJDで亡くなった方が5人しかいないと言うことを考えると,vCJDだけにおびえたり,注意を払ったりすることにはあまり意味がなさそうです。


また,vCJDで亡くなった方の年間変動数を見ると明らかにピークが過ぎ去っていますので,今後数十年先までを考えても,BSE牛がらみで命を落とされる方は200人前後ではないかと推測できます。


イギリスではBSE牛の危険が認識されるまで,市場に相当数のBSE牛が混入していた(当然危険部位という概念も当時はなかったわけですし)ようですが,日本では発生したBSE牛が市場に出回ったという報告はなく,さらに現在は輸入品も含めて危険部位が除去されています。もちろん人間の関わる仕事には必ずエラーが含まれていますが,イギリスの人口は日本の半分の約6千万人,BSE牛の発生数は約5,800倍。そしてイギリスにおけるこの12年間でのvCJDによる死亡者数は約160人と言うことを考えると,今後日本においてvCJD患者が発生する確率は極めて低いと考えられます。


BSE発祥の地,イギリスでは「肉骨粉の飼料への配合禁止」「危険部位の除去」の二点を軸にした対策を講じることで,BSEの発生およびvCJDの発生を抑制することに成功しています。つまり,いまだBSEからvCJDへの移行システムは解明されてはいませんが,現時点でその対策法は確立していると言っても過言ではありません。


というところで,強引にリスクマネジメントに話を戻しますと,BSEがらみのハザードは「vCJD発症により死に至る」という非常に大きなものです。しかし,前述したとおりその発生確率は極めて低いものであることが確かめられていますので,全体としてのリスクは非常に小さいものであると言えます。


ちなみに,過去に一応今後日本においてどの程度の被害が発生するかについて極めておおざっぱに計算された例があります(http://www.fsc.go.jp/senmon/prion/p-dai12/prion12-siryou.pdf)。大ざっぱとはいえ,この計算ではイギリスの変異型CJD病の患者が将来最終的に5000人まで増えたと仮定していますので,この計算が行われた平成16年以降のvCJD患者数の推移も含めて考えると,ちょっと到達し得ないほど悲観的な予測の元に計算されています。そして,このような極めて悲観的な予測の元に行われた計算でも,日本全人口に対する将来的な発症者数の推定値は「0.891人」です。つまり,将来に渡って日本国内からBSE由来によるvCJD患者は一人発生するかしないか程度のリスクしかない,というわけです。
#ちなみに私が勝手に予測した「200人」という数字を使うと,0.036人です。


正直これほどリスクが小さい問題だったと言うことが,意外だった方は多いんじゃないでしょうか?


BSE問題は,たとえマスコミやなんかでものすごく騒がれている問題でも,よくよく調べてみるとそんなに気にすることはない問題だったということがよくわかる典型的な例です。


断片的な情報に惑わされるのではなく,きちんとした情報と確定している事実を元に考えることで,無駄なコストを払うことを避けることが,リスクマネジメントがもたらす大きな利益です。


有限なコストをいかに効率よく配分して全体のリスクを下げるか。リスクの低い項目にかけるコストを減らすことにより,よりリスクの高い項目にかけるコストを増やすのはリスクマネジメントの基本です。そのためには,より正確にリスクを評価することが絶対に必要です。


ちなみに私は,安いアメリカ産牛肉を避けて国産牛を奮発するよりも,中国産野菜を避けて国内産の野菜を購入する方がコストの有効利用だと思っていたりしますが,その辺の話はまた後ほど。


参考: BSE及びvCJDについて(食品安全委員会)



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気になる化学リスク | 17:48:57 | Trackback(0) | Comments(1)
リスクマネジメント

今日は予告通りリスクマネジメントの話です。


と言っても,非常に大ざっぱに説明してるので,厳密に言うと微妙に範疇から逸脱している部分もある気がするんですが,その辺はご容赦 and/or ご指摘ください。


なんて,いいわけ前置きを軽くしつつ,日常生活での例を挙げましょう。その前に昨日話した「リスク」と「ハザード」の話を軽く思い出しておいてください。


さて,この夏もお盆の休暇を利用してちょっと離れたところにある実家に帰省をすることにしましたが,今年はどうやって帰りましょう。飛行機?鉄道?自家用車??


当然ではありますが,「飛行機に乗って移動をする」という行為には「飛行機事故で墜落する」という「ハザード」が存在します。墜落事故に遭えば,残念ながら生き残る確率はそれほど高くありませんので,これは非常に大きな「ハザード」であるといえます。しかし,日本はもちろん世界中でも数多くの飛行機が飛んでいますが,ニュースなどでの報道を見てもわかるとおり,墜落事故が起こる確率というのは実は自動車による交通事故よりも圧倒的に低いものです。そのため飛行機に乗ることで「より遠距離を短時間で移動できる」という利点(ベネフィット)は非常に魅力的に見えます。


自動車で移動する場合にも交通事故に遭うという「ハザード」が存在します。発生確率は確かに飛行機に比べると高いですが,日常生活で短距離を移動する場合にはそうそう死亡事故にいたるような場合は少ないものです。たとえ事故が起きたとしても,飛行機事故に比べれば生還できる確率は非常に高く,結果的に「リスク」は小さいように感じます。日常生活で,近所のスーパーに買い物に行こうと車を利用することに,リスクを感じる人はそうはいないでしょう。
#駐車場が……,と都心に暮らしている方は考えるかもしれませんが(^^;


しかし,遠距離での移動となると,長距離を運転することによる疲労などの因子が加わってきて,「ハザードの発生する確率」がどうしても上昇します。さらに高速道路などで移動することにもなりますので,事故が起きた際の被害,つまり「ハザード」も増加し,結果的に全体の「リスク」も増大します。また,遠距離を移動するときに必要な時間的「コスト」は飛行機や鉄道に比べるとただでさえ大きくなるのに,渋滞なんて言う要素を加えたらさらに大きくなります。


鉄道はこの両者の中間くらいでしょうか。 ベネフィットは飛行機に劣りますが,自動車には勝ってます。ハザードも飛行機より小さそうですが,車よりはちょっと高そうです。


さて,このような場合,我々はどう考えるでしょうか。 事故や怪我に対するリスクにプラスして,旅行全体の時間の中で移動時間に大部分を割いてしまうコスト,さらに疲労で旅行が楽しめなくなるリスクなども考えるでしょう。そして,飛行機や鉄道を利用するとそれなりの料金がかかりますから,家族で移動するとなると車よりかなりのコストアップが考えられます。


このような様々な要因を加味した上で,「よりハザードが大きいが,ベネフィットも大きい飛行機や鉄道を利用するか。それともコストも安くハザードも小さい車を利用するか」を選択すると思います。


このように,全体のリスクとそれにかかるコストを考慮しながら,「全体的なリスクを支払えるコストの範囲内で軽減するように行動し,できる限り大きなベネフィットを獲得する」ことが「リスクマネージメント」の基本的な考え方です。


選択肢的には「ベネフィットの獲得を放棄する(=帰省しない)」とか,「コストを無限に支払う」というものも一応存在はしますが,前者は結局「じゃあ,何がやりたかったんだ」ということになりますし,後者は全く現実的ではないです。それに,そもそもコストをいくら支払ってもリスクはゼロにはならない,ということも,ちょっと考えれば皆さんすぐにおわかりいただけると思います。


でも,世の中不思議なことに,時々「この二つのやり方こそが正義だ!!!」という意見を,意識的か無意識的かわかりませんが,持ってしまう方が意外と多かったりします。どうしてなんでしょうね?


次回以降はそんな例を少しずつしていこうかと思います。



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気になる化学リスク | 16:18:14 | Trackback(0) | Comments(2)
リスクとハザード

この数年で大きな話題になったものだけでも,ダイオキシンや環境ホルモン,BSEに遺伝子組み換え作物と化学やバイオがらみで問題になった事例がたくさんあります。 しかし,これらの話を聞く上で必要以上にパニックになったり,不安に駆られることを防ぐために知っておかなければいけない概念として「リスク」と「ハザード」の関係と,「リスクマネージメント」というものがあります。


最近少しずつは聞かれるようになった「リスク」と「ハザード」という言葉ですが,まだまだ一般的とは言い難いのが実情です。


 この両者の中で,普通聞き覚えが少しでもあるのは「リスク」の方でしょうか。「ハイリスク・ハイリターン」とか「リスクを恐れるな」とかいう言い回しでなら,さらによく聞くと思います。「ハザード」の方も,「バイオ・ハザード」なんて言葉を聞いたことがある人もいるかもしれません。


どちらも「risk」と「hazard」で辞書を引くと「危険」と出てきますが,両者の概念は明確に違います。


「ハザード」の方は,危険要因とか有害性とかを示す言葉です。そして,「リスク」は,非常に単純に言えばこの「ハザード」に「ハザードが生じる確率」を加味した結果として表されます。


たとえば,これから夏に向けて水遊びをする場合,必ずそこには「溺れる」という「ハザード」が存在します。


でも,その水遊びをする場所が,「水たまり」なのか「池」なのか,あるいは「小川」なのか「渓流」なのか,「海水浴場」なのか「遊泳禁止区域」なのかで,水難事故に遭う確率はずいぶん変わってくると思います。また,水遊びをする人が「子供」なのか「大人」なのか,「泳げる人」なのか「泳ぎの上手な人」なのかでも,全く変わってくるでしょう。


でも,思い出してください。これらの条件すべてにおいて


「溺れて死ぬ」という「ハザード」は等しい


のです。


しかし,大人が水たまりで水遊びをしていても,そこで溺れる確率はほぼゼロに等しいとですよね?なので「大人が水たまりで水遊びをすることのリスクはほぼゼロ」であると言うことができます。


同様に,「大人が水たまりで遊ぶよりも,子供が水たまりで遊ぶ方がリスクが大きい」あるいは,「大人が水たまりで遊ぶよりも,渓流で水遊びをする方がリスクが大きい」,「泳げない人が海水浴場で遊ぶよりも,泳げる人が海水浴場で遊ぶ方がリスクが小さい」などのことが簡単に言えることもおわかりいただけると思います。


つまり,


「ハザード」が等しくても「リスク」は場合によって異なる


ことがあり得ます。そして,同時に我々が


本当に注意をしなければいけないのは,「ハザード」ではなく「リスク」である


と言うこともわかっていただけると思います。


化学物質や様々なモノを利用する場合,そこには必ずなんらかの「ハザード」が存在します。ですので,我々はその「リスク」を正当に評価し,その「リスク」に応じた注意を払い行動を選択する必要があります。


ちょっと長くなりましたので,リスクマネージメントととかの話は,また次回。



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気になる化学リスク | 11:52:54 | Trackback(0) | Comments(2)
苛性ソーダを扱う容器の材質は?

ガラスや百均で売っている安価なプラスチックは
絶対に使用しないでください。


推奨はポリプロピレン,もしくはポリエチレン製容器です。


ステンレスも良いものであれば,それなりに耐アルカリ性を持っていますが,場合によっては表面が溶け出すこともあります。もちろんきちんと選べば大丈夫なのですが,ステンレスの種類が明記されていない場合も多く,明記されていたとしてもその名称から耐アルカリ性の有無を判定するのは我々一般人には困難なので,あまりお勧めできません。


安いプラスチック製品によく使われているポリスチレン,ポリカーボネート,フェノール樹脂などは強アルカリには耐えきれませんので,絶対に使わないでください。エポキシやメラミン樹脂,塩化ビニルなどであれば室温なら大丈夫ですが,苛性ソーダを水に溶かす場合には高温が発生するので,そのような用途には使用を避けるべきです。


なお,結構流行しているらしいペットボトルを使った製作法がありますが,ペットボトルの素材であるところのポリエチレンテレフタレートは,こちらの資料(http://www.shibakei.co.jp/sozai/pet.htm)によりますと,「アルカリには使用しないでください」となっております。使っている最中にいきなり穴が開くような事例はまだ聞いたことはありませんが,使うにしてもできるだけ一回限りの使い捨てにした方がよいと思います。



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手作り石鹸 | 14:37:10 | Trackback(0) | Comments(4)
苛性ソーダはガラスを溶かす?

普通に溶かします。


実験室では普通0.1mol/l以上の濃度の水酸化ナトリウム溶液はプラスチック製以外の容器では扱いません。パイレックスでも同様です。オールガラス製の容器に保存なんてしたら,場合によってはふたと容器が溶着して開かなくなる場合もあります。ちなみに500gの水酸化ナトリウムを1lの水に溶かした場合の濃度は12.5mol/lになります。これは化学の専門家なら,普通は使いたくないと思うくらい非常に濃いアルカリ溶液です。安いガラス瓶なんて,簡単に溶かしてしまいます。ご注意ください。



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手作り石鹸 | 16:53:15 | Trackback(0) | Comments(3)
苛性ソーダが手につくとぬるぬるするのは??

そのぬるぬるは手の皮膚が溶けたことによるぬるぬる


です。


決して「苛性ソーダが水を吸うからぬるぬるする」というわけではありません。


アルカリは人間や動物の体を構成しているタンパク質を溶かします。だから服についた垢や油を落としてくれたり,毛織物をそのまま洗ってしまうと縮んだりするわけですが,逆に濃度の高いアルカリ溶液が付着したのをそのままにしておくと,どんどん皮膚の中に浸透して骨まで行きます。


万が一皮膚についたら,とにかく大量の水で洗い流してください。お酢で中和……,という話もあるようですが,スピードが命ですし皮膚が溶けたところにお酢は痛いと思うので(^^; 水道の水で徹底的に洗い流してください。



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手作り石鹸 | 16:45:29 | Trackback(0) | Comments(4)
苛性ソーダは毒???

一般的なイメージで言う「毒」とは違いますが,


苛性ソーダは大変危険なものである


と考えてください。


苛性ソーダを水に入れてできるナトリウムイオンは特に毒ではありませんが,同時に生じる水酸化物イオンの濃度が問題です。


参考までにMSDSと呼ばれる化学物質に対する毒性などを明記した文書があります。水酸化ナトリウムについてのMSDSはこちらです。
http://www3.kanto.co.jp/catalog/msds/J_37184.pdf


環境中に漏洩した場合「水生生物に有害」であり,適切な処理なしに環境に流してはいけないと明記されてます。ちなみに,金魚に対する半致死量(半分の個体が死亡する量)は189mg/lだそうですので,よく見る手作り石鹸のレシピで一回の使用量として載っている500gの水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)を,金魚の半致死量以下の濃度に薄めるためには2000リットル(=2トン,あるいは2立方メートル)以上の水が必要です。
#一般家庭用お風呂がだいたい150~200リットル
#皆さんのご家庭における水使用量は月間何立方メートルくらいですか?


しかも,ここまで薄めてもやっとpHは11です。できればpHは9以下にしていただきたいと思いますので,水だけでpHを下げようと思うとさらに100倍から1000倍に薄めていただけなければなりません。


しかし,500gの水酸化ナトリウムを1L程度の水に溶かしてますので濃度は12.5mol/l。廃油とか加えてもせいぜい数Lですので,普通に数mol/lの濃度はあると思います。こんな濃度の水酸化ナトリウム溶液に多少食酢だのクエン酸加えたって中和なんかできません。確実に中和されているかどうか,リトマス試験紙か何かで確かめた方がよいと思います。なんだったら,ムラサキキャベツの絞り汁をたらしてみても良いでしょう。(参考:http://contest2.thinkquest.jp/tqj2003/60532/play/murasaki_h.htm) そう簡単に中和されないことがよくわかると思います。


ですので,石鹸作りの最中に苛性ソーダを流してしまったら,とにかく大量の水を流し続けましょう。


実際には,環境に到達するまでに十分薄められるとは思いますが,ご近所の範囲までは十分毒であることが予想される代物です。ぽっとん式のトイレであれば,途中の配管も下水処理場の微生物分解槽も気にしなくて良いかもしれませんが,最近の都市生活ではそういうわけにも行きません。くれぐれも「危険なものである」という意識を持ってお使いいただけますようお願いいたします。



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手作り石鹸 | 15:49:33 | Trackback(0) | Comments(5)
苛性ソーダを水に溶かす時は…

必ず


大量の水の中に少しずつ苛性ソーダを加える


こと。


理由:
苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)は,水に溶けるときに大量の熱を発生する物質です。なので,もし大量の水酸化ナトリウムに少量の水がかかった場合,瞬時にその水が沸騰して


極めて強いアルカリが飛び散る可能性が高い


ためです。


推奨する方法
必ず眼鏡を着用(できれば花粉症対策用メガネのように,横からの飛沫侵入も防げるもの)し,厚手のゴム手袋や長袖,エプロンなどで可能な限り皮膚の露出を防ぐこと。


できれば氷(もしくは氷水)の中にポリプロピレン(もしくはポリエチレン)製の容器を入れ,その中に必要量の水をあらかじめ入れる。


時々,容器の壁を触って温度を確かめながら,熱くなりすぎないようなペースで,少しずつ苛性ソーダをかき混ぜながら加える。(かき混ぜ棒も,できればポリプロピレンもしくはポリエチレン製のものを利用すること)


 


 



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手作り石鹸 | 15:34:59 | Trackback(0) | Comments(6)
Blog始めました
ということで,Blogの公開を始めました。コメントは自由におつけください。
とりあえず,過去に某SNSでコメントした内容を順次貼り付けていこうかと思います。

雑談 | 15:08:36 | Trackback(0) | Comments(4)

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